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復縁ダメ、ゼッタイ!

「空に~、聳える~白銀の黒~」


「まあ、とても古い歌ですね。」

「最近、どうしたもんだか巨大ロボがよく話題に出るんです。」

「いえ、出してるのはナターシャさんだと思いますけど。」


「知ってました?超合金って錆びるんですよ?」

「ステンレスだって傷が付けば錆びますわ。」

「動く弾薬庫が肉弾戦するんですよ。」

「敵に命中した時しか爆発しない制御技術は素晴らしいです。」

「意外に装甲ペラッペラなんですよ。転んだら凹みますよね。」

「あの複雑な形状で強度を出しているんですよ。ハニカム構造の応用ですわ。」

「身長57mで体重550tは軽過ぎます。」

「空を飛ぶならそうせざるを得ません。」

「航空機って装甲薄いですよね。」

「でも、超合金製です。」

「特殊スチール製のヤツも空飛んでました。」

「大事なのはエンジンです。」

 ここでコールが鳴る。


「ご利用ありがとうございます。異世界転生カスタマーセンター、お客様サービス係でございます。」 

「私、異世界で離婚間際の公爵夫人をやってます、カロリーヌ・ベランジェと申します。」

「カロリーヌ様ですね。ご用件をお伺いします。」


「私、碌でなしの主人と別れようとしたのですが、この期に及んで復縁を迫って来ているのです。どうしたらよろしいでしょうか。」

「それはご自分でお考え下さい。」

「お願いしますわ。転生歴3年でこの世界の荒波に呑まれているのです。」

「子供で転生した訳ではないのですね。」

「はい。結婚前日に転生しました。ちなみに、前世では男をやってました。」

「ああ、見た目は女性、中身は男性な訳ですね。」


「あの、トランスの方ってみんな転生者なのですか?」

「いいえ。希望者のみです。」

「まあ、私は男を主張するつもりはありませんけど。」

「単なる前世持ちですからね。それで、今はどういう状況なのですか。」

「先週、私の方から離婚を切り出しまして、今は調停中だと思っています。」


「ということは、お相手の認識はそうではないのですね。」

「はい。はなっから相手にされていない感じです。でも、私のサイン入りの離婚届けは渡しました。」

「それを教会か貴族を管理している部署に提出すればいいわけですね。」

「はい。今頃は破棄されてるかも知れませんが、何度だって書きます。」

「お相手がどうしても動かないなら、社交界を使って流れを作ると効果的でしょう。」

「そうですわね。離婚届をご夫人方にちらつかせれば、あっという間ですね。」


「でも、そんなに酷い旦那様なんです?」

「まあ、元男から見てもちょっと酷いですね。結婚当日に突然、『お前は愛さない。これは白い結婚だ。』でしたからね。」

「彼女はそれを知ってて嫁いだのでは無かったのですね。」

「ええ、彼女の記憶のどこにもそんなものは無かったですね。その後は物置小屋くらしで食事も最低限のものでしたよ。それでも建前上、出席しないと行けない場では、ちゃっかり公爵夫人を演じさせられてましたけどね。」


「それで3年我慢したんですね。」

「ええ、法で3年以上結婚生活していないと離婚が認められないですからね。」

「でも、今になってどうして急に離婚に応じなくなったのでしょう。」

「それは私も不思議に思ってるんです。最初は、私がとても使い勝手が良いと見做されたと思ったんですが、急に豪華な部屋に移され、食事もヤツが同席するようになりました。今日は一日中、ドレス選びです。」


「なら、このまま結婚を続けてもいいんじゃありません?」

「あのク○と?冗談じゃないです。本音は今すぐ屋敷を去りたいです。」

「でも、今去ったらあなたがとても不利な状況になりますね。」

「はい。宗教的に御法度では、生きていけません。」

「そうですね。しかし、彼が心を入れ替えたのかも知れませんよ。」

「たとえそうでも、恨みの無い人間を3年間、物置小屋に押し込めて都合良く利用するクズですよ? 私の心が入れ替わりません。」

「ならば無理ですね。」

「どうしたらいいです?」


「公爵夫人なら、王妃様にもお会いできる立場ですから、味方に付ければいいですよ。何なら、公爵家でお茶会をやったついでに、『1年前のロリ-ヌ体験ツアー』を実施すれば公爵家もろとも沈没しますよ。」

「みんなにボロを着させて埃だらけの小屋に監禁するのですね。」

「成功率100%です。」

「貴族としても引退ですね。」

「しかし、どうしてそんな所をお選びになったのですか?」

「何もせずに楽に生きられる場所を希望したら、公爵夫人だったけど、旦那がクソだったという訳です。」

「上手くいったと喜び勇んで飛び出したら地雷を踏んだ感じですね。」

「どっちかというと、うんこに近いですね。」

「男味が出てますよ。マダム。」

「失礼しました。」


「まあ、彼とやり直したくなければ徹底抗戦あるのみです。いつかは諦めてくれますよ。」

「ところで、こういった場合、復縁した場合と離婚した場合の結果について調べた統計はありませんか?」

「まあ、人生はそれぞれ、結果の受け止め方もそれぞれですので、あまり意味のある結果にはなりませんね。成功と失敗があるだけです。それなら、信じた道を進むべきです。」

「分かりました。初心貫徹します。」

「はい。復縁、ダメ、ゼッタイ!です。」

「ありがとうございました。」


「さあ、彼女は無事、逃げられるかしら。」

「是非とも自由になって欲しいですね。」

「ナターシャさんは復縁推進派ではないのですね。」

「はい。私はクソ男ポイ捨て派ですね。復縁女子を見てると、その意志の弱さにイラっとします。」

「彼女たちだって一生懸命なのですよ。」

「私からすれば、だったら最初から騒ぎを起こすんじゃねえって感じです。」

「でも、幸せになった訳ですし。」

「ゴミ箱から拾い上げた物で満足できるなら、そうですけどね。」

「ナターシャさん。エグみが出ておりますわ。」


 すると、ここで次のコールが。


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