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大学内での接近

 二限の講義が終わり昼休みの時間、大学の友達と一緒にサークルの集まりに行ってきた。


「それにしてもお前、レポート課題を終わらせるために家で作業していたら講義に遅刻してしまうとか面白い奴だな」


「うるせぇ。冬樹(ふゆき)とは違って計画性を持って行動してないんだよ」


「違うでしょ。ただ面倒ごとを後回しにしていただけだろ」


「……正解」


 藤井冬樹(ふじいふゆき)と歩きながら雑談をしていると部屋にたどり着いた。冬樹とは大学一年生の頃の初めての友人だ。


「お疲れ~」と部屋に入ると既に見知った顔がいた。


「よっ!春に冬樹、お前ら来るのが遅い」


「仕方がないだろ。レポート提出についての話が思ったよりも時間がかかってさ」と冬樹が言うと、ボードゲームを選んでいた。


「そういえば陽斗(はると)椿(つばき)は?」


「椿ならパン屋に行っていると思うけど…」


 すると扉が開いて「ねぇ、今日新作が発売されていた」


「マジ!?」


「何?」


「アップルパイだよ」


「椿が好きな奴やん」


「そうなの?」


「昔から椿のお母さんが作っていたからな」


「そうだったんだ」


「冬樹にも食べさせたいな椿のお母さんが作ったアップルパイ」


「そうだね。是非とも三人の故郷に行ってみたいね」


「田舎だけどね」と椿は美味しそうにアップルパイを食べている。


「それじゃあ全員揃ったことですし久々に一戦します?」と冬樹が人狼ゲームを持っていた。


「いいね!久々に人狼も悪くない」


「私も何か久しぶりにプレイするね」


「おい春!スマホ何か見てないで一緒にプレイするだろ」


「いや今日はいいや」


「何で?」


「いやごめんな椿。呼び出しの連絡があって」


「そうなんだ。じゃあ気を付けてね」


「もちろん!それじゃあな」


「お前三限の講義遅刻するなよ!!」


 春は連絡のあった待ち合わせの噴水広場まで急いで向かって行った。


 待ち合わせの場所へ向かうとそこには数時間前に会った藤花先輩がいた。


「梅田君。今日三限の講義入ってる?」


「はい。入ってます」


「その講義休むこと出来る?」


「何でですか嫌ですよ」


「真面目なんだぁ~」と藤花先輩が春に近づいて来ている。


「それで…何で僕を呼び出したんですか?」


「うん?ただ一緒にデート行きたいと思っただけだよ?」


「何で昨日出会った人とデートに行きたいんですか。別に好きではないですよね」


「そうだけど~また変な男に付きまとわれるのが嫌だからね。私のボディーガードになってよ。お姉さんが奢るからさ」とどこかミステリアスな雰囲気というか魅力に引き込まれていた。


「いきましょうか」といつの間にか口から言葉が出ていた。


「それじゃあ三限の講義さぼって、私と一緒にデート行きましょう」と藤花先輩が春の右腕を掴んで一緒に大学の外へ出て行った。


 この時の笑みに含みがある事を僕はまだ気づいていなかった。



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