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話し合い

 デート後、僕は、本来の目的である結の家に来ていた。


 田舎から出た僕はタワマンを前に驚きで目を開いた。


 中に入ると、コンシェルジュの人が話しかけてきた。すると結が対応してくれた。


 話し終えるとエレベーターに乗って七階のボタンを押して上にあがった。


 エレベーターの中で僕と結は手を繋いでいた。


 七階に止まるとエレベーターの外に出て、結の後について行った。


 とある号室の前でインターホンを鳴らした。


 玄関の扉が開くと男性がいた。


「ただいまお父さん」


「おかえりなさい」と優しい言葉で結を出迎えていた。


「おじゃまします」と僕も中に入った。


「こんにちは!結の後輩の梅田春と申します。お義父さん今日は挨拶しにきました」と緊張しながらも手土産を渡した。


「えっと〜結?この方は?」とお義父さんが僕のことを睨んでいた。


「私の彼氏」と答えると靴を脱いで廊下をまっすぐ歩いた。


「ええー!!」とお義父さんが驚いているうちに僕は結の後について行った。


 結が向かった場所はリビングだった。


 僕の家とは違いシャンデリアに絨毯、机や椅子も高級感ある家具で揃っていた。


「ただいま戻りました」と結が敬語で話した。


「おかえり結。そちらの方は?」と僕の方を見たので「僕は梅田春と申します」と自己紹介をした。


 するとカップの中に入っているコーヒーを飲んだ。


(僕の自己紹介を聞いているのか?)と僕はコーヒーを飲み終えるのを黙ったまま時間が過ぎるのを待った。


「ごめんなさいね。梅田くん」とコーヒーを飲み終えると言った。


「あっ…いえいえ」と何故か僕が委縮している。


「まずは結?私と寛人(ひろと)さんは心配していたのよ。今まで何処に住み着いていたの?」と冷たい目線で結のことを捉えていた。


「お母さん。私は隣にいる春の家に居ました」と答えると「梅田くん?結が迷惑かけてない?」と質問したので「迷惑なんて…僕の方が居て助かっているのというか」と答えた。


「なるほどね…」と言い席を立って引き出しの中から週刊文春で僕と結がデートしている様子をテーブルの上に出した。


「これは貴方?」と僕に質問したので「はい」と正直に答えた。


「じゃあ結、何でモデルを辞めるの。聞いたわよ社長から電話があったわ。その理由を話してちょうだい」と言った。


 結は深呼吸して話し始めた。


「お母さんには感謝しています。私のお父さんと結婚してこうして豪華な部屋に住まわせてもらい私をモデルのミンとして仕事を持たせてくれて感謝してます。ただ私はお母さんの道具じゃない!これからは隣にいる春と一緒に人生を歩んで行きたい!」と結が思ったこと感じたことの全てを語った。


 するとお母さんは「()()モデルとして貴女に活躍させたのに?」と言った。


()()?お母さん私はスカウトだったのよ。なのに今お母さんは()()と言った。まるで最初から図っていたかのように…。」と結は体を震わせながら言った。


「やっぱりベランダで電話していたのがきこえていたのね」と答えた。


(一体全体何が起こっている?)と僕の頭の中がパンクしていた。


 まず目の前にいる人が、おそらくお義父さんと再婚相手だから結の本当のお義母さんじゃないのか?


「待った!結ココからは私が話す」とお義父さんが二人の話し合いに割って入った。


「何?お父さん」


「この話は俺も関係しているからだ」


「えっ……」とお義父さんが結の目を真っ直ぐみて言った。


「俺が順子(じゅんこ)との結婚条件として結の夢を出したんだ」


「どういうこと?」と結が困惑していた。


「私が話すわ」とお義母さんが話し始めた。


「私は寛人さんと仕事のパートナーだったの。そして私はいつしか寛人さんの事を仕事のパートナーじゃなくて一人の男性として恋をしてしまったの…。だから私は寛人さんに告白したわ。でも断られたわ。ただ私は、諦めきれなかったから毎日のように告白したわ。告白の形は毎日違うようにアレンジを入れたわ」と過去の話を僕と結は静かに聞いていた。


「すると寛人さんが折れたのか、寛人さんのプライベートの話をしてくれたわ。シングルファザーとして結を育てている事、現状のことを話してくれたわ」

 寛人さんは当時、「だから断っていたんだ。順子のことは嫌いじゃないから」と言ってくれたわ。

 あまりにも長い間話していたので、寛人さんが気を利かせてコーヒーを出していた。それを順子さんは飲んだ。


「それから寛人さんは私に話してくれたわ。結の夢であるモデルの話もね」と結の方を見た。


「そこから私は結の夢を叶えるためにしてあげると言ったわ」


「すると寛人さんは「本当?」と言って私に感謝したわ。ただ私は「結婚が前提の話だよ」と言った。当時の私は本当に馬鹿なことをした。自分の幸せのために結の夢を使った。ただ勘違いしないで欲しい。私は結の事もお母さんの代わりになって育てようと覚悟はあったわ」と順子さんの目から涙が流れていた。


「結…本当にごめんなさい」ハンカチで涙を拭いていた。


 すると寛人さんも「ごめん結。俺にも罪がある。ただ順子さんの事は好きなことは本物だ。ただ決めてが結の夢だったのが良くなかった」と頭を下げていた。


 僕は隣にいる結の顔を見ると今まで見たことない表情だった。おそらく様々な感情が入れ乱れているからだ。


 許す許さないだけじゃない。二人とも結のことを思っている。結婚したから結の夢を叶えようと知り合いにお願いしてまで結をモデルにしたこと。


 僕が聞いても情報が多い話だった。


 話を聞いた結は、「私は大丈夫だよ。お父さん、お母さんありがとう」と目に涙を溜めながら二人にハグをした。


 藤花家が仲良くなった瞬間だった。







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