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 あの日。正式に付き合ってから数日が経った。


 この数日で少しだけ変化した。


 まず、僕たちの呼び方は名前で「春」「結」と呼ぶようになった。


 そしてここ数日間僕の家に結が寝泊まりするようになった。


 モデルの仕事が大変だからと僕の家で休みたいそうだ。


 そういえば寝る前に「家族は心配してないの?」と一回だけ尋ねたことがある。


 すると「私が居たら邪魔になるから帰らないほうがいいの」と言った。


 それ以上聞くのはダメだと思ったので追及はしなかった。


 そして僕の周りにも知れ渡っていて、バイト終わりに花野さんに呼び出された。何か悪い事したのかなと怒られる覚悟だったのに、「梅田くん。おめでとう!」と開口一番に言われた。


「怒られると思いましたよ」


「違うよ。ただ結が毎日あまりにも幸せに満ち溢れた連絡してくるから気絶しそうだよ」と言ってスマホを見せた。すると画面には結と花野さんとの楽しそうなメッセージだった。


「僕の寝顔じゃないですか!」と遡っていると僕の寝顔の写真が貼っていた。


「梅田くんの口角が上がっているよ。無防備にね」と花野さんの方を見るとニヤニヤと笑っていた。


「なんていう顔をしているんですか」


「いや、バイトしている時と顔が違うから…」


「違います。」と否定しておいた。


 だってあまりにも幸せな顔をしていたので鏡の前では見られない顔だった。


「まぁ、結は家の関係で料理も家事も出来るようになったからいいんじゃない?」


「どういうことですか?」と言った。


 この際だ。結の家族事情を花野さんに聞いてみるのもいいかもしれない。


「あれ、もしかして聞いたことないの?」


「はい」


「うーん…でも私から話すのはいくら梅田くんでもダメかな」と答えを言ってくれなかった。


「そうですよね。聞き出そうとした僕が悪いです」と深追いするべきではないと判断し話を終えた。


 ーーーーー


 今日はデート。


 待ち合わせは駅近くの時計台だ。


 待ち合わせの時間まで後十分もある。


 まだ結は来ていない。


 周りを見ると夏休みということもあり子連れの家族や学生たちも楽しそうに駅に向かっている人々で沢山いる。


 待つこと五分、結が来てくれた。


「待たせたね。春」と言った。


「いや僕も今来た所だよ」


「そうなんだ。よかった」と安心していた。


 結の格好を見てみると伊達メガネをかけてるしに髪型も違うが服装には見覚えがあった。


「そのワンピース撮影の時に着ていたのだよね」というと嬉しかったのか「覚えていたんだ」と嬉しそうに顔に出ていた。


「当たり前だよ」


「でも今日はミンじゃないよ?」


「僕は結がいいんだ」と答えると「私の事みてくれて嬉しい」と左腕に抱き着いて来た。


 僕らは駐車場に止めていた車に乗った。この日のためにレンタカーを借りた。結を助手席に乗せて向かった先はビーチだ。


 目的地にたどり着くと「撮影の時とは違い人がたくさんいるね」と結が言った。


「そうだな」と周りを見てみると海の家や他にもビーチフラッグやビーチバレーが出来るように整備している。周りでは楽しそうに海で遊んでいる家族連れや友達同士やカップルが沢山いた。


「じゃあ海の家に行かない?」と提案してくれた。


「いいよ」と返事した。


 二人は海の家で注文をした。


「結は何か食べたい物ある?」


「私は何でもいい」


「じゃあ適当に頼むね」といった。


 なので僕は適当に焼きそばにフランクフルトを二個頼んだ。飲み物は結はトロピカルカクテルを選んだ。僕は運転があるのでオレンジジュースを頼んだ。


 注文して二人用の席に座った。


「うーん。水着持ってきてくればよかったかな」とこちらを試すように言った。


「絶対にダメです」と鬼気迫るように答えた。


「冗談だよ。モデルの仕事でも水着は着ないようにしないと…」


 そんな話をしていると注文した品物が届いた。取り皿に焼きぞばを分けて結に渡した。


 結は「ありがとう」といい焼きそばを食べようと割りばしを持ったがすぐに置いた。


「あ~ん」と結が口を開けた。


 よく見ると恥ずかしいのか耳が赤くなっていた。


 僕は少しだけ周りを見るとカップルが同じ行動をしていた。


「まだ?」と結の顔がリンゴのように赤くなっていたのでワンピースに気を付けながら結の口の中に焼きそばを入れた。


 結は焼きそばをソースが飛ばないように食べた。


「美味しい」と言った。


 二人は綺麗な海を見ながら海の家で仲良くデートをした。

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