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フェアリー・リトライブ  作者: 天沢壱成
『桃太郎編』
5/15

『一章』.5 猿の女の子ー①



 初撃の蹴りだけで腕が痺れたのは源太郎以来だった。


「はっ。パンチも緩いな。寝てんのかよ!」


 だけどそれを口にして、顔に出してしまえば相手を調子づけるだけだ。だから桃浦太一は抱いた感想とは逆のことを言ってのける。

 打撃も十分な威力だった。

 正確に鳩尾みぞおちを狙った一撃だ。もし防ぐことが一瞬でも遅れていたら確実にダメージを負っていたことだろう。

 太一は猿島ほのかの拳を掴むと、そのまま自分の方へと引きつけた。


「パンチの手本ってやつを見せてやる!」


「――っ!」


 ギュッと、右手を拳の形にした。岩のように強く握り締めた。狙うは猿島ほのかと同じ、鳩尾。

 引力に逆らえないほのかが、拳の射程距離まできた。

 そこへ、太一は拳を叩き込む。


「おォア!」


 クリーンヒット。

 太一の拳に、猿島ほのかの華奢な腹部を撃ち捉えた感覚が返って――、


「――それがアンタの本気かよ? 桃太郎さん」


「……な」


 華奢な腹部……なんかじゃなかった。

 まるでアスファルトの地面を殴りつけたようだった。ほのかの腹部、そのど真ん中を殴った太一の拳が、ブシュッと音を立てて血を吹き出した。

 右手の拳に発生する痛みと、耳に聞こえた声。

 太一は目を見開くと、ほのかを見た。

 彼女は八重歯を剥き出しにして笑っていた。


「アタシが魅せてやる。本物の打撃を!」


「……っ!」


 太一の本能がアラートを発生させた。

 これは、本気でまずい。

 少年は急いでほのかから距離を取ろうとしたが、しかしそれが出来なかった。

 筋肉の圧縮。

 太一の拳を、ほのかは腹筋の力のみで抑えつけ、一瞬だが身動きを封じた。

 その一瞬が、とこまでも大きい。


「喰らえ! そして泣き喚け! これが猿島ほのか様の実力だぁアア!」

 

 ほのかの豪語する声が響き渡った。 

 彼女が繰り出す打撃は実に大振りだ。素人が放つパンチのようだが、その威力は絶大。喰らえば太一といえどタダでは済まないだろう。

 至近距離からの一撃。

 避けることは、まず不可能。


 ――あぁ、クソ。使う予定じゃなかったんだけどな。


「――『桃浦流剣武術』」


 桃浦太一は幼少の頃から力が強かった。

 だからその制御方法を得るために、祖父である桃浦源太郎に鍛錬をつけてもらった。

 その鍛錬方法は色々あったが、それらは全て一つの武術を扱うために実行された。


 ――それが桃浦流剣武術である。


 太一は、桃浦流剣武術を使うことなくほのかを倒そうと考えていた。使うことなく倒すことで、主人の余裕と、圧倒的な差を見せつけようとしたのだ。


 しかし甘かった。

 そんなことをして勝てる相手ではなかった。

 もちろん素の力でも十分太一は強いが、それだけじゃ無理だった。

 称賛しよう。

 猿島ほのかは強い。

 『現実界』にいた時に会っていれば、また違う人生を歩んでいたかもしれないほどに。


 だからこそ、本気の相手には本気で。


朝焼あさやけ


「――ごッ?」


 ほのかの大振りの一撃が当たる前に、太一の掌が彼女の腹筋に触れた。

 触れた、というより押し込んだと言った方がいいかもしれない。

 そのまま、だ。

 太一は押し込んだ掌を、グリっと捻った。瞬間、ほのかの顔色が変化した。激痛が走り、痛みに苦悶する顔だ。

 そして、その痛みをゆっくり味わう余裕も暇も与えられず、ほのかは叫び声を上げ、背後に立っていた数々の大木をへし折りながら吹っ飛んでいった。


「ぐぉおおおあああああああああああ‼︎⁉︎」


「朝から焼けるように痛えだろ、オレの一撃はよ」


 太一の声がほのかに届いたのかどうかは、分からなかった。



△▼△▼△▼△▼



 猿島ほのかが、太一の一撃を喰らって吹っ飛んだ瞬間、二人の戦いを見物していた赤髪ポニーテールの巫女装束美人は微かに笑っていた。


「……桃浦流剣武術。やはり使えたか、少年」


 初代「桃太郎」が鬼と戦う際に編み出した技法。

 二代目が技を磨き。

 三代目が技の質を上げ。

 四代目が完成させた、特殊戦闘技術。


「それだよ、少年。それが、キミがあの時忘れていた鬼と戦う方法だ」


 ウラの視界には、確かに。

 今代の「桃太郎」が、勇ましく立っていた。



△▼△▼△▼△▼



「……ん」


「お。起きたみたいだな」


 ウラのボロ小屋だった。

 部屋をある程度キレイにして、布団を敷き、その上に気絶していた猿島ほのかを寝かして小一時間。

 ほのかの隣でウラと将棋をしていた太一が、彼女の覚醒を確認した。

 ほのかは最初、寝起きのために意識がボヤけていたのだろう。数秒後、ハッとなると布団から飛び出て太一から離れた。


「おー。すげー運動神経。さすが猿」

 

「少年。女の子にさすが猿はダメだろう?」


「え? 褒めんてんのに」


「やれやれ。そんなんじゃ女の子にはモテないよ……はい、王手」


「あー! ちょっとまて今の無し! 今のあれ、告白してきた女の子に対応してたせいだから!」


「いつされたんだよ」


 などと将棋の勝敗について軽口を言い合っている二人を他所に、一人だけ臨戦体勢のほのかは警戒心を解いてはいなかった。

 彼女は太一とウラを交互に見て、


「……どういう風の吹き回しだ?」

 

 そう言ったほのかに対して、太一は将棋の駒を片付けながら首を傾げた。


「? 吹き回しも何も、将棋やってただけだけど」


「ちげーよ! さっきまでアタシとアンタは戦ってたろ! つまり敵同士だったろうが! それなのに、なんでアタシを寝かせて、呑気に将棋なんて打ってんだよ!」


 敵同士、とは少し驚きだった。確かに第三者が見ればその関係性だと思われるだろう絵図だった。しかし、それは言うまでもなく他所からの視点。

 太一はため息を吐いた。


「はぁ。お前なぁ、オレがいつお前のことを敵だと言ったんだよ。オレたちは一緒に鬼を倒す仲だろ。つまり友達、仲間ってやつだ。敵なんかじゃねぇし、そもそも敵認定してたら布団なんかで寝かせないで川に放り捨ててるっつーの」


「それはそれで酷いと思うぞ少年、あはは!」


「……なんだよそれ」


 太一の考えに一言申しつつも笑い声を上げるウラ。そんな二人に呆気に取られたほのかは小さく呟くとその場で軽く拳を握った。

 そして、次の瞬間には風のような速さで太一に迫り、拳を顔面めがけて振るっていた。

 当然。

 太一はその打撃を瞬き一つせずに掴んで防ぎ、そのままほのかを真っ直ぐ見た。

 彼女は、舌を打つ。


「なんだよその目は。アタシじゃ役不足って言いたいのかよ」


「別に。ただ、いくらやったって結果は変わらないぞ。お前じゃオレには勝てない」


「……。言ってくれるじゃねえか。いいぜ、そんな口が二度ときけないくらい、ボコボコにして……」


「いやぁ。多分だけどそれは無理じゃないかな、お猿さん」


 再度、太一とほのかの間で火花が散りそうになったところで、ウラの声が割り込んできた。ほのかは太一から手を離すと、将棋盤を挟んで少年の隣にいる赤髪ポニーテールの美少女を鋭く睨む。


「なんだと? アタシを変な空間に閉じ込めないと手に負えなかった負け犬が、随分と偉そうなことを言うじゃねえかよ?」


「え? 違う違う。閉じ込めたんじゃない、『うるさいからボクのポケットにしまっただけ』だよ。ほら、ミンミン泣く蝉を捕まえた時虫カゴがなかったらとりあえずポケットに入れるだろ? それと同じさ」


「……っ! なんだと……!」


 悪気があるわけでもない雰囲気でおちょくるウラに、プライドを傷つけられたと感じたほのかが怒りを表した。

 太一を無視して、ウラの胸ぐらを掴もうとする。しかし、その手がウラに届くことはなかった。

 太一が、ほのかの手首を掴んで止めたのだ。

 

「やめとけよ」


「……」


 太一の声、視線にほのかはしばし沈黙を選択した。

 それから、彼女は大きく息を吐いた。


「このままキレて暴れたら、ダサいのはアタシか」


 言うと、ほのかは腕を引いた。

 太一は意外とばかりに目を丸くする。


「聞き分けがいいんだな」


「別に。アタシもそこまでバカじゃねぇって」


 唇を尖らせながら、ほのかはザンバラに切って整えた茶色い髪の毛の頭を掻いて、


「ただ、ここで子供みたいに暴れても意味がねぇって思っただけだよ。……負けだよ、負け。アタシの負けで、アンタの勝ちだ――桃太郎」


 若干、本当に少しだけ、悔しそうにしているが、それでも太一の強さは認めたのだろう。案外、可愛いところもあるじゃないかと太一は唇を綻ばせた。

 まぁしかし。


「ぶっちゃけ鬼退治を一緒にしてくれたら勝ち負けなんてどうでもいいし、オレは桃太郎じゃなくて桃浦太一な」


「いちいちうるせぇな! わーったよ桃の大将! 鬼退治でも何でもやってやるよ!」


「にっしし。サンキューな、ほのか!」


「ふんっ」


 こうして、多少のいざこざはあったが、無事に『猿』を名に持つ少女――猿島ほのかが鬼退治の旅に加わった。


 ……ついでに、だ。

 ほのかはウラに太一が来たら思う存分戦っていいし、もし勝てたら自由にしていいよと言われていたらしい。


「人がいない時になんて条件を持ち出してんだテメェ!」


「ごめんっ」


「軽っ!」



△▼△▼△▼△▼



「で? アタシの次は誰を仲間にするつもりなんだよ」

 

 そう言って、ガツガツと丼飯を食べていたほのかが太一を見ながら首を傾げていた。ほっぺたにはご飯粒をつけ、畳の上にはあぐらをかいて座っている。全然女の子らしくないほのかに、多少呆れてしまっている太一は川で獲れて焼いた魚を食べて、


「んー……。オレはウラからお前しか教えてもらってないから何とも。どーなんだよウラ。次は誰を仲間にするんだよ」


 首を傾げながらもウラを見てみると、彼女は美味しそうに焼き魚を頬張っていた。まるでリスだ。


「はれへもいいんはないふぁな!」


「なんて?」


「誰でもいいんじゃないかな、じゃねーか?」


「よくわかったな!」


 ほのかのファインプレー翻訳が輝いた。というかウラの奴、ずっと何かしら食べてるな。

 誰でもいい。

 そう言われても、そもそも他の『犬』と『雉』がどこにいるのか太一は知らないし、前情報は皆無だ。強いて言うなら、一人は『現実界』、一人は『桃源界』のどこかにいることをウラから教えてもらったくらいだ。


「つーかアタシはよく鬼退治云々を分かってねーんだけど、仲間ってそんなに必要なのかよ?」


 ふと、ほのかがそう言ってきた。

 太一は腕を組んでこれからのこと考えていたが、顔を上げた。彼女は昼食を食べ終えていて、お茶を啜っている。


「アタシの家は代々『猿』の生まれ変わりで、「桃太郎」を助ける立場として存在している。……そういう風に言われて育ってきた。だから誰にも負けられないくらい強くなくちゃいけないって、クソ親父に散々言われてた。……けど、さっき桃の大将と戦って思ったことがある」


「……なんだよ?」


「桃の大将の強さはちょっとレベルが違う。アタシも結構強い方だと自負してるけど、アンタは規格外なんだ。だって、『殴っただけで人を吹っ飛ばした』んだぞ? そんなのは、ただの人間じゃない」


「……」


「そんなアンタと、『猿』のアタシ。それから変な魔法じみた力を使うソイツ。三人いれば、鬼なんて余裕なんじゃねーか?」


 ほのかにそう言われ、太一は一瞬、感覚的には長いと感じる、些細な時間、考えた。

 人を吹っ飛ばす打撃。

 それは、普通じゃない。

 そうだ、そうだった。

 太一や、源太郎。ついでにキレたら一番怖い千歳。桃浦家の人間だけが特別異常であって、他の人間は、普通の人は殴っても他者を吹っ飛ばせない。

 さらに言うなら、桃浦家の中でも更に特質しているのが太一だ。

 人が人を殴って吹っ飛ばすなんて、普通じゃない。いくらほのかを強いと感じても、それは常人レベルでの話。

 改めて他者からそう言われると、自分の力が本当に異質なモノなんだと思う。


 だから、ほのかの意見は実に的確だ。

 でも。


「オレ一人じゃ倒せなかったんだ」


「何だって?」


「鬼は強い。オレが何かをする前に、オレは鬼に返り討ちにあったんだ。……だから、オレ一人じゃダメだ。ほのかの、いや。お前ら三人の力が必要なんだよ」


「……」


 顔を俯かせて、畳を見ながら、拳をギュッと悔しそうに握って、太一は吐露した。

 自惚れていたんだ。自分の強さに。歴代最強の「桃太郎」とか言われて、舞い上がって。その結果、数少ないチャンスを棒に振るって、自分で自分の首を絞めてしまった。

 ほのかはウラをチラリと見た。

 ウラはニコリと笑った。それをほのかは、太一の言葉が本当だと肯定していると判断した。

 ほのかは軽く息を吐いた。

 まるで、呆れたように。


「なぁ、桃の大将。少しアタシの話をしてもいいか?」


 と、ほのかがそう言った。

 太一は顔を上げた。


「アタシはさ、「猿島家」じゃ落ちこぼれだったんだ。『猿』は『犬』と『雉』にはない能力がある。それは他の二匹にも言えるんだけど……アタシは『猿』に必要な「速度と膂力」が一族の中でもなかった。能力が……一番低かったんだ」


「……」


 一番低い。

 それは、太一とは真逆の。

 

「アタシはそれが悔しかった。『猿』は「桃太郎」のために存在して、鬼を倒すためだけに力を蓄える。……けどな、アタシはそんな自分の決められた運命すら呪った。そんな、誰かに敷かれたレールの上をただ従順に歩くなんて動物園の猿と変わらない。アタシは野生の猿がいい。誰にも束縛されることなく自由に、ただ本能のままに自分の力を行使する人生がいい。……だからアタシは必死こいて強くなった。誰にも文句を言わせないくらい、強くなった」


 だからあんなに強かったのかと、太一は感心して、驚いた。

 生まれた時から強かったわけじゃないのに、そんな自分と環境に逆らいたくて、力を手に入れた。

 それは、太一とは本当に真逆の人生だと思う。

 自ら望んだわけじゃない力と。

 己から望んで手に入れた力。


 『猿』の家系の詳しい事情なんて、太一には全然わからない。出会ってまだ数時間の間柄だ、それも当然だろう。

 だけど、ほのかの生き方の素晴らしさ、その輝きはとても眩しいモノだった。


「だから。元々強いアンタが、自分が弱いだなんて卑下するなよ。アタシに勝ったアンタが弱いなら、アタシの人生全てが無駄だったって言われてるみたいじゃねーかよ。……アンタには、最強でいてほしい。アタシに勝つ人間は、最強じゃなくちゃいけないんだ。……そう、あってほしいんだよ。アンタが強いから、アタシはアンタの仲間になるって決めたんじゃないか」


「…………ほのか」


「やろうぜ桃の大将。鬼如きにビビってちゃ、「桃太郎」の名折れだろう?」


 ニカっと、八重歯を光らせてカッコよく、それでいて少女らしい笑顔でほのかは拳を前に突き出した。

 太一と拳を合わせようとしている、そのポーズ。

 

 ……なんて強い子だと、本気でそう思う。


 鬼に負けて、瞬殺されて、自信をへし折られて、一人じゃどうにもならないと落ち込んで。

 みっともない。

 情けない。

 恥ずかしい。

 

 まだ、何も始まっちゃいないじゃないか。

 勝負はこれからで、本番はこれからで、まだ負けが確定したわけじゃない。

 仲間が必要だと言っておきながら、一人で戦おうとしていたんだ。だから不安になって、怖気付いて、後悔をして。


 そんな感情に浸っている暇があるなら、前を向け、下を向くな。

 「桃太郎」が鬼に一人で挑んだと、お伽話は語っていたか?


 ――否である。


「……「桃太郎」は最強じゃなくちゃいけない、か。簡単に言ってくれるよな、ホント。お前、鬼見たことねーだろ? めっちゃデカいんだぜ? ジャックと豆の木に出てくる巨人よりデカいんだぜ」


 ハッと笑って、太一は冗談交じりにそう言った。

 ほのかもつられて笑い、余裕そうに肩をすくめる。


「煮豆にして食べてやる」


「ハッ。上等だ」


 コツっと、二人の拳が重なった。

 仲間が一人加わっただけで、こんなにも頼もしいのか。心が安堵するのか。

 ふと、太一は気づいた。

 そういえば、誰かと一緒に戦うなんて初めてだ。ずっと一人で、なんとかなっていたから。

 ワクワクする。

 きっと大丈夫だと、そう思える。


「やってやろうぜほのか」


「あぁ。ぶちのめそうぜ、大将!」


 桃浦太一には、もう臆病風なんか吹いていなかった。



△▼△▼△▼△▼



「――ほの、か……ッ」


「――……」


 ――さて。

 少しだけ未来の話をしようと思う。


「まて、まて……ッ。オレが、オレが相手だ『鬼童丸』! そいつに触るんじゃねぇ。そいつ、そいつはオレの友達なんだよ……ッ!」


 鬼ヶ島への道中。

 少年と少女は現実を思い知る。

 鬼に勝てる?

 最強?

 

 それはなんだ?


 一体、どこの誰が、少年たちが一番強いと保証した?


「――残念である、「桃太郎」。貴様は歴代の中で、一番弱い「桃太郎」であった」


 世界は広いという言葉がある。

 つまりはそういうことだった。

 

 現実話は、お伽話より残酷だ。


「……もも、うら流、剣武じゅつ……ッ!」


「――それはもう見飽きたのである。千年前からな」


 何も出来なかった。

 桃浦太一。

 猿島ほのか。

 

 二人の少年少女はたった一体の『鬼』に完膚なきまでに叩きのめされ、容赦なく『自信』を粉砕された。



 ――これは、二時間後の話である。

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