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Levelモルフ  作者: 太陽
最終章 『終末の七日間』
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Phase5 第五十一話 『敵を欺くために』

 物語はアメリカ合衆国、モルフテロ発生より二日目の昼時へと巻き戻る。

 そこは街より少し離れた工場地帯、浄水場がある場所だった。

 少し未来の話をするならば、そこでは神田慶次達とレオと死闘が起こっていたともされる場所だ。


 その浄水場の中、人っこ一人いないその場所に侵入していた者達がいた。


「よし、ここの水を汲んでいくぞ」


「了解っす、テオさん!」


「なんでここで水を補給するんだよ? 別に街中に行けば幾らでも売り物の水はあるじゃねえか」


「分かっていないなデイン、街中は霧状で散布されたモルフウイルスが蔓延していたんだぞ? エアロゾル感染は大丈夫にしても、感染したての人間が売り物の水に触っていたらそれこそリスクがある」


「す、すごいですね。ここまで考えて行動するなんて……」


 彼らは一日目、ヴェノム・グランデの追跡を返り討ちにし、そのまま移動を繰り返してきてきた元サイレントハウンド部隊の者達、そして行動を共にしているデインと椎名真希だった。

 補給物資が無い彼らは、この浄水場で水の補給をしていたのだった。


「あとは飯でもありゃあ完璧だったが……まあ欲は掻いていられないからな。セルゲイ、周囲の監視は頼むぞ」


「了解」


「お前らもちゃんと寝たか? 車での移動中でしか寝ることは難しいからな。しっかり体を休めとけよ」


 テオがデインと椎名の二人に向けてそう語り、二人は顔を見合わせて頷くと、


「十分休めたよ。本当はまだ寝足りないと言いたいところだけどな」


「なめんな、睡眠なんてものは三時間あれば十分だ」


「お前らの基準と一緒にすんな」


「喧嘩しないのデイン、あ、私は大丈夫です。怪我もしていませんでしたし」


 言い合いをするテオとデインをよそに、椎名は体調に問題はないことを告げた。

 全員が一斉に休息を取ることが難しい今の現状では、移動中に何人かが休むという選択肢を取るしかできなかったのだ。


 そして、彼らは一息つくようにしてその場で座り込むと、デインがテオの方を向いてこう聞いた。


「それで、これからどうするつもりなんだ?」


「やることは一つだ。この事態を引き起こしたクリサリダの大元、その頭を叩く」


「……それをするにしても、手がかりはあるのかよ?」


「一つだけある。クリサリダの幹部達が向かう先は一つに絞られていた。恐らくはその最終目的地に全員が集結する筈。俺達はそこを奇襲し、このふざけた戦争を終わらせる」


 烏丸が残した遺産、そのUSBメモリーにはクリサリダの計画らしきものが残されていた。

 具体的な詳細は明らかにはなっていないが、地図の中で見たある地点へと向けてクリサリダの人間が向かっていることは確かだった。

 ならばその先にテオ達の果たす目標がある筈だと、彼はそう信じていた。


「そこはつい最近建てられた巨大要塞、いわばシェルターの役目をした場所だ。ミスリル……だったか。アメリカ陸軍の拠点にもなっている場所だろうな」


「ミスリル……そこに行けば皆もいるかもしれない」


「ああ、お前達のお仲間もそこにいるかもしれないな。それともう一つ確認がある。サーシャ、いいか?」


「あいよ」


「え? ちょ、何するんですか?」


 サーシャが立ち上がり、突然椎名の着ている服を触り始めた。

 何をされているのか分からなかった椎名は驚いていたのだが、


「お前があの『レベル5モルフ』ってことはもう十分に理解している。その上で気になることがあるんだよ。とりあえずジッとしてろ」


「気になること……」


「――――」


 テオの発言に対して、デインも何も言わなかった。

 彼もその言葉に対して何か思い当たることがあったのかもしれない。

 そして、サーシャが椎名の体を弄っている途中、その手を止めて目を細めた。


「……あったよ」


「やっぱりかよ」


「何があったんだ?」


 サーシャが何かを見つけ出し、それが何かを問いかけるデイン。

 そして、サーシャはその手に握られていたある物を皆に見える形で手のひらに乗せて見せてきた。


「これは……発信機か?」


「連中のやりそうなことだ。それでお前達の位置を知ることでいつでも回収できるようにする。危なかったぜ、さすがに奴らと交戦しても勝ち目はないだろうからな」


「でも……これがあったら……」


「変な考えを持たない方がいいよ。これであなたの仲間が本当に来ればそれが一番かもしれないけど、アメリカの軍が来れば話は変わる」


 椎名の浅い希望を打ち砕くようにして、サーシャは牽制した。

 事実、これは椎名を見失わないように取り付けられていたものに違いはない。

 しかし、これを使って保護しにくるのが誰かということが争点となっている。


「あの監獄でお前達も聞いた筈だ。アメリカ軍の中にも恐らくだがクリサリダの人間がいる。もしもお前を保護しにきたのがそいつらだったら……お前達の立場は今よりも遥かに悪いことになる」


「なるほどな、それはいけ好かねえ話だ」


「で、でもこれを持たせたのは日本の皆だよ? その可能性は低いんじゃ……」


「可能性があることが問題なんだよ。もしも、お前のお仲間達がアメリカ人共に懐柔されていれば話は変わる。ここはあいつらのホームだ。お前らはアウェイ地帯に住んでいる余所者。数パーセントでも可能性があるのなら俺はゴメンだぜ」


 椎名の意見に真っ向から反対意見をぶつけてくるテオに、椎名も何も言えなくなってしまう。

 今、テオ達が椎名達と行動を共にしているのはあくまで安全だから。より安全な日本の仲間達の元へ向かえるならばそれにこしたことはないが、それがアメリカ軍であれば話は変わってしまう。

 椎名真希の存在を知らないアメリカ側が、もしも椎名真希の体の秘密に気づきでもすれば、全力で保護しにかかりに来る筈だ。

 そして、その中にクリサリダの組織の人間がいる可能性は大いにありうること。


「ここに長居もできなくなったな。その発信機をここに置いていくぞ。ついでだ、フィン。アメリカのクソ野郎共に向けてメッセージでも残してやれ」


「うっす、何て残せばいいっすか?」


「そうだな……ざまあみろとかでいいんじゃね?」


「了解っす」


 テオに言われた通りに、フィンがスプレー缶を取り出して壁に文字を塗りつけていく。

 まるでアメリカ軍が来ると言わんばかりの方向性の持っていき方だが、テオの推測はあながち間違いとは言い難い。

 テオ達としても、ここでの戦闘は避けたいという思いもあったのだろう。

 その真意を読み取っていた椎名は、気遣いもあってかこれ以上は何も言わなかった。


「よし、それじゃあ移動を開始する。追跡封じの為に車で移動するぞ。ある意味モルフよりも恐ろしいからな。アメリカ陸軍は」


 痕跡の一切も残すなというテオの指示に、フィンとサーシャも頷いて答えた。

 ここまでするのは、それだけアメリカ陸軍が優秀だということを知っていたからだ。

 やろうと思えば空からUAVを使って探索を仕掛けてくる可能性だってあるし、今、テオ達が補足されていないのは運が良いということもかなり大きかった。


 彼らは移動を開始した。目的地であるミスリルまで、そう遠くない距離まで彼らは近づいている。


△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼


「あー、フィン、聞こえるかー。さっさと後ろの奴らをどうにかしてくれー」


「無理っす無理っす! どんどん数増えてますって! というかここを車で走るのは無謀すぎるっすよ!!」


「弱気なこと言ってんじゃないよ。こんな状況でもセルゲイは落ち着いて片付けてるってのに」


「ほんとブラック!!」


 泣きそうになりながらフィンが抗議をあげながら機銃を撃ちまくる。

 今、彼らは車での移動で街中を走っている最中だ。

 しかし、街中は当然ながらモルフがわんさかいる地帯。既に四日も経過した今、モルフの感染段階は最高段階の『レベル4モルフ』になっている。

 車の上部に装着した機銃を使って、フィンが後ろに迫り来る『レベル4モルフ』を撃退している最中なのだが、機敏な動きをする奴らにはそう簡単に当たらない。

 セルゲイもライフル銃で落ち着いて一体ずつ撃退しているが、減る数よりも増える数の方が圧倒的に多い。


「なんでこんな悪夢で呑気なんだお前ら……?」


「焦ったら負けなんだぞデイン。少なくともこんな状況、俺は幾度となく経験してる。大事なのはどれだけ肝を座らせるかだ」


「それにしてもリラックスしすぎだろ」


 デインの指摘の通り、テオの呑気な様子にはツッコミたくもなる。

 彼は助手席で肩肘をつき、ダッシュボードの上に足を組んで乗せているという状態だ。

 その隣で全力でアクセルを踏んでいるのがサーシャなのだが、彼女も彼女で焦る顔一つせず冷静に運転していた。


「フィン、難しいか?」


「なんかあいつらの顔が段々近づいてきている気がするっす……」


「……たく、しょうがねえなぁ」


 ため息を吐き、テオは前を見てもうすぐ大型の陸橋の下を通り抜けることに気がつく。

 そして、後ろにいる椎名の方を見ると、


「おい、嬢ちゃん。RPGの残弾はあと何発ある?」


「え? あ、前にフィンさんが使ってた奴ですか? あと……二発ですね」


「よし、セルゲイ、やれ」


「ここで使うのですか?」


「部下のケツを拭くのが俺の役目だ。さっさとしろ」


「了解」


 テオの指示に反論無しに返事を返したセルゲイは残り残弾が少ないランチャーを手に取り、フィンがいる車上部に身を乗り出した。


 そして、テオ達の乗る車が陸橋を通り過ぎたその瞬間、セルゲイは陸橋目掛けてぶっ放した。


「命中」


 モルフではなく陸橋を狙った理由、それは目で見れば分かることだった。

 陸橋が崩れ、真下を通りがかったモルフに瓦礫が落ち、そのまま生き埋めになってしまう。

 そして、テオ達の乗る車を追い縋るモルフは一体たりともいなくなった。


「後ろ、もう大丈夫っす!」


「お前がさっさと片付けねえからだろが。余計な手を取らせやがって」


「ひどっ! いや、でもあの数の『レベル4モルフ』はキツいですって! ……あんな数の『レベル4モルフ』とやりあったの初めてですし」


「――まあ、それは俺も同感だ」


 フィンの泣き言に同調して、テオは何かを考え込んだ。

 事態を呑み込めていない椎名が首を傾げてテオの方を見ると、


「何かあるんですか?」


「ん、ああ。もう四日が経過したわけだが、さすがにアメリカ軍の動きが鈍すぎることが気になってな。やはり、アメリカ政府にクリサリダの人間がいることは確定的になってきたなと考えていたとこだ」


「でも、結局時間の問題じゃないのかよ? 鈍かろうと時間さえあればモルフなんて駆逐できるんだろ? この国の武力とやらがあれば」


「それはまず間違いないだろうな。が、ここまで感染段階が上がったモルフを駆逐するのは簡単じゃあない。それに……何か不自然だ」


 デインの疑問に肯定意見で返しながら、テオは窓の外を見ながら気になることを口にした。

 何が不自然なのか、デインもそれだけは分からずに椎名と同じように首を傾げる。


「やっぱり、あんたでもそう感じるかい?」


「愚問だ。サーシャ、お前も同じ考えなら嫌な予感は当たりそうだな」


「おいおい、何のことだよ。ハッキリ言ってくれ」


 サーシャとテオの二人は何かに気づいているようで、彼らの中にある焦燥感に気づけなかったデインはその詳細を尋ねた。

 今更隠し事をする理由はないだろうと詰め寄るデインに対し、テオはタバコに火をつけると、


「ここに来るまでに、何度か気になる化け物がいたことを覚えているか?」


「――ああ、いたなそういえば」


「統一性のない、モルフなのかどうかも分からない謎の化け物。その全ては見た限りではこちらを敵視していた。……あれは一体何だ?」


 テオが語る化け物、それはデインも椎名も共に見てきた。

 足が八本あり、頭らしい部位はない例えようにもない化け物、ミミズのような赤黒い巨大な化け物、果ては人間と蜘蛛が合体したかのような悍ましい化け物もいた。


 その全てと交戦こそしなかったが、相対した全ての化け物がテオ達へと向けて歩みを寄せてきたことは確かだ。

 あれは、モルフの行動習性と似ている。


「リキッドモルフだとしても、何がどうやってああなる? ライオンや蠍が巨大になったやつなら俺達も見てきたが、あそこまで元の姿を想像出来ないやつは初めてだ」


「……それがどう不自然なんだよ?」


 奇妙な化け物が街中を徘徊しているとして、それが何の問題なのかが分からないデインは更に問いを重ねた。

 どちらにしてもモルフと同じ敵であることに違いはないのだから、殲滅対象に変わりはないのだ。


「クリサリダは今後、何かを仕掛けてくる可能性が高い。それにあの化け物が関わっている気がする。……それだけだ」


「……根拠は?」


「ない。勘だ」


「勘かよ……」


 根拠はない言い分ではあるが、デインもテオのその発言を一重に馬鹿には出来なかった。

 事実、あの化け物の存在理由が不確かすぎるのだ。

 人間を襲わせるためにクリサリダが用意したにしても、それならば『レベル4モルフ』の方が圧倒的に戦闘力が高い。

 ならば何の為にあの化け物が街中にいるのか、その理由を考えようとすれば、テオ達の不自然さには納得がいく。

 しかし、根拠がないと聞いたデインは肩の力を抜くと、


「考えても無意味だろ? あの化け物共とはもう久しく出会ってないし、今まで遭遇した化け物ももう地平線の向こうだ。ワープでもしてくるってんならやべえと思うけどな」


「ワープしてきたら確かに怖いね……」


「するわけねえだろド天然……」


 デインの冗談を本気で悩み出した椎名に呆れていると、運転していたサーシャが我慢出来なかったのか、「ぷはっ!」と笑い出す。


「んだよ……?」


「いやね、あんた達、本当に面白いコンビだって思ってさ」


「やめろやめろ、こんな奴とコンビなんて組まされた日には天然が移っちまう」


「ちょ、ちょっと! そんな変なこと言ってないでしょ!」


 デインと行動を共にして、共に世界を救うと決めたあの日から今日までの時間は短いようで長い。

 互いに打ち解けられるようにはなったが、デインとしても馴れ合いはあまり好まないことは椎名も知っている。

 そんな二人の関わり合いを見て、サーシャがどう感じたのか、デインは不本意に感じていたようだが、


「戦場ではね、誰しもが楽観的な様子で動く奴なんていないのさ。死と隣り合わせなんていつ何時だって当たり前、あなた達はただついてきただけだけど、私はついてきてくれて良かったと思うよ。おかげでストレスも溜まりにくいしね」


「――ふん」


 サーシャの言葉に、テオも鼻を鳴らしていた。

 彼もサーシャと同じように考えていたのかもしれない。

 あくまで利害が一致したから行動を共にしているという成り行きの関係性、それも同じ時を過ごせばその関係性は変わっていくものだと、今の彼らを見れば分かる。


「私も……サーシャさん達と行動をしていると安心できます。それにお姉さんみたいで親しみやすいですし」


「フィンみたいなことを言うもんじゃないよ。二十八歳にもなればババアみたいなもんだからね」


「えっ!? 姉さんもうそんな歳なんですか!? それって日本でいうアラ――」


「お前だけ降ろすよ、フィン」


「嘘っす! ごめんなさい!」


 後部座席の狭い中で身体全体を使って謝り姿勢を取るフィンに、サーシャはお怒りの様子だった。

 本当に和みやすい者達だと、椎名はそう考えていた。

 初めて出会った時、彼らから拉致された時は怖いものだと考えていたぐらいだ。

 冷徹かつ残酷、サイレントハウンド部隊と呼ばれる彼らの手際の良さは、もはや人間性なんてものを感じさせないほどに恐ろしい。

 しかし、彼らも椎名と同じ人間であり、元を正せば感情無き者達でもないのだ。

 そんな当たり前のことを、今になって改めさせられる。


「皆で、生き残りたいですね」


「……そうね」


 椎名の嘘偽りない本音に対して、サーシャはその瞬間だけ小さく返事を返した。

 その心の中で、どう考えているかが椎名に分からないままに――。


「――っ! マズイ!」


「おい!?」



 何かに気づいたサーシャがハンドルを大きく回し、遠心力に引っ張られた一同が車内にしがみつく。

 その瞬間、テオ達の乗る車両が何かにぶつかった衝撃で滑走し始め、耐えられなくなった車両は横転をする。


「うおわぁぁぁぁっっ!!」


 グルグルと車内の中にいた者達全員が視界を掻き回され、各々が怪我をしないようにしがみついていた。

 やがて横転した車両は逆さになる形で動きを止めて、鉄臭い車の臭いが車内を充満させた。


「クソッ! 何が起きたってんだ!?」


「早く外に出ろ! ガソリンが漏れてる!」


 デインの叫びよりも、テオのその発言にギョッとした一同はすかさず左右の割れた窓ガラスから外へと這い出る。

 ガソリンに引火すれば大爆発を引き起こし、テオ達は全員、そこで死んでしまう。

 最悪のケースを免れる為に、全員の動きは早かった。


 左右それぞれに車両から脱出した一同はその場で立ち上がり、周囲の警戒を行う。


「おい、何があった?」


「……地面に罠のようなものが敷かれていたんだよ。紐がタイヤに引っかかる位置に張った状態でね。何か変だよ」


「ちっ、厄日だな」


 あの時、なぜハンドルを切ったのかの理由をサーシャから聞いたテオは舌打ちをした。

 移動手段が絶たれた現状もそうだが、その罠が気になってしまう。

 明らかに車を狙ったかのようなやり方、それが違和感を感じさせてしまうのだ。


 そして、事態はそれだけに済まなくなってしまう。


 テオ達のすぐ側にある大きな建物、その一階から強烈な爆発音が鳴る。


「――っ、今度は何だ!?」


「……待ってください。ヤバいっす、これって……」


 続け様に起こる謎の現象に、一同に考えさせる暇を与えさせない。

 爆発音が鳴り響いた瞬間、その五階建てはある建物がこちら側へと向けて倒壊し始めたのだ。


「おいおいおいおい!? やべえぞ!! 全員、ここから離れろっ!!」


「――っ!」


 倒壊したビルから逃れようと、車両の左右にいたそれぞれの者達は急いでビルの落ちる先から離れようとした。


 そして、コンクリートの塊が地面にぶつかり、大音量の音と粉塵がこの地帯を埋め尽くした。


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