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指先からこぼれることば

親指の記憶

作者: 如月けいと

貴方の右の頬に月明かりがさす


とても静かな夜のこと。


貴方の親指が、私の頬を撫でる


愛おしむように、ゆっくりと撫でる


それだけで私は嬉しくて


ただ、泣きたくなる


愛しています


心から


貴方が目を細めると


幸せで、泣きたくなる


愛しています


心から


いつか、その想いが


遠い過去のものになり


いつか、その想いが


嘘になったとしても


この瞬間、心から貴方を愛した事に


変わりはなく


私の頬を撫でる


この親指の記憶は、


私の中から決して消えないでしょう

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