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NUKE NOTE  作者: おざ栄一郎
2/2

02.対決

東京理科大学ポケモンサークル、通称pokerikadaiの長万部(おしゃまんべ)支部では世界各国のks垢たちによる極秘会議が開かれていた。

「この一週間で分かっているだけで52人。全てコミュban経験のある粉界隈の、もしくは荒らし誘導の過去がある生主達です。」

「しかしいずれも永久banになっても仕方のない生主ばかりだ。ルールを守れない奴はニコ生コミュニティに必要ねーよ」

「消されたと決まったわけではないでしょう」

「50人以上が引退なんて偶然があるか」

「こうなったらまた〚K〛に解決してもらうしかありませんな」

「お!いいね~」


「ひよぺん部長、なんです?Kって。」

「知らざぁ言って聞かせやしょう。Kというのは名前も居場所も顔すら誰も知らない。しかしどんな難事件でも必ず解決してしまうこの世界の影のトップ、最後のks垢。そんなところだ。」

「Kはもう動いています。既にこの事件の捜査を始めています」

黒人のように焼けた小太りの男がスーツ姿でスマホを掲げて歩いてくる。

ks垢たちが一斉にその男の名を呼ぶ「ナマリ!」「ナマリ4ね」「ナマリNGしろ」

「え、ナマリ?」「Kとコンタクトを取れる唯一のks垢だ。もっともナマリの正体も誰も知らない」

「お静かに願います。Kの声を今お聞かせします」

ナマリが皆の前に立ちノートPCを開く。Kと書かれたホーム画面が映ると棒読みの音声が聞こえてきた。

「polerikadaiの皆様、Kです。この事件は絶対に許してはならない凶悪なもの。事件解決のため私に全面協力してくださることをこの会議で決議していただきたい。そして、特に日本の協力を強く要請します」

「な、なぜ日本なんだ」

「犯人は日本人である可能性が極めて高い。日本人ではないにせよ日本に潜伏している。」

「その根拠は」

「それは近々犯人との直接対決でお見せできると思います」



「見てみろよリューキ。もうこんなホームページまで出来ているんだ」

抜宮太郎は日々の日課のエゴサを欠かさない。

『救世主ナル伝説。ぬけみやすご、これお前のことか』

「ああ、俺はもう世界的にこのnaruになっている ナルと調べるだけで既にこの手のページがごまんとあるんだ」

「口に出さないだけでもうみんな分かっているんだ。悪い奴が誰かに消されていると。これでいいんだ、まさに計画通りに事は進んでいる。」

【違うんですって~。だから、違う違う。違うんですよ皆さん。そうじゃなくて~もう…】

別窓で若干アスペが入った女生主の枠を開いていたはずだったが、なぜか公式放送に飛ばされていた。


ー番組の途中ですがここでpokerikadaiからの全世界同時特別生中継を行いますー

「なんだ、ポケリカダイ?」

「私は全世界のks垢を動かせる唯一の人間 ホンモノ・K・カグラ。通称〚K〛です」

「なんだこいつ」

「相次ぐ生主を狙った事件、これは絶対に許してはならない史上最大の凶悪犯罪です。よって私はこの犯罪の首謀者、俗に言われるナルを必ず捕まえる」

〚必ず捕まえるってよ』

「馬鹿め。捕まるわけがない ヌケノートなんだよ、このノートを押さえない限り証拠なんて何も残らないんだ!」

「ナル、お前がどのような考えでこのようなことをしているのかは大体想像がつく。しかし、お前のしていることは悪だ」

「は?俺は悪くねーよ。ヌケーシュ・ヴィ・チンパニアが命じる、お前は死ね!」

ノートの丸々1ページに画面に映る男の名前と生idを大きく書きなぐる。

「間抜けすぎるぜK。もう少し賢ければ面白くなったかもしれないのに。」

「俺に逆らうとどうなるのか、世界中が注目してるぜ、K。」

あと5秒、4,3,2,1…。いつものようにリスナーは生主叩きの流れに移る。

ぬけたろう以下、生きてて楽しい?、232しろ、就活就活就活就活…。KはブラウザNGで対応するが余りに多くて追いつかない様子だ。怒りで顔真っ赤にしてプルプル震えている。

「あー効いて何も言えなくなった感じだ?w」


しばらくすると画面が暗転して棒読みから声が聞こえてきた。

「信じられない。もしやと思って試してみたが、まさかこんなことが…。ナル、お前は直接手を下さずに生主を消せるのか。この目で見るまではとても信じられなかった…。よく聞けナル、もしお前が公式放送に映っていたホンモノ・K・カグラを消したのなら、それは今日この時間に永久banされる予定だった男だ。私ではない。」「何!?」

「生米保管庫でも掲載されていない、運営が極秘に捕まえた生主だ。流石のお前もこんな生主の情報は手に入れてないようだな。」『ハハッ、やられたな』

「だがKという私は実在する。さぁ、わたしを殺してみろ」(こ、こいつ…!)

「さぁどうした早くやってみろ。さぁ早く」

「どうやら私は消せないようだな。消せない生主もいる。いいヒントを貰った…。お返しと言っては何だが、もう一ついいことを教えてやる。この放送は、全世界同時中継と銘打ったが、実は日本の奈良県にしか放送されていない。時間差で各地区に流す予定だったがもうその必要はなくなったな。お前は今、奈良県にいる」『ククッやられたな』

「小さな事件で運営は見逃していたが、この一連の事件の最初の犠牲者はランド弱だ。大手生主がコミュを消していくなか、この生主のコミュレベはいたって低い。しかもこの生主はキッズにしか人気のないポケモンタグで放送していた。これだけで充分推理ができた。お前が日本にいること。そしてこの犠牲者第一号はお前の殺しのモルモットだったということが。」「ムキーーー!」

「シカの集中する奈良県に最初に中継し、そこにお前がいたのはラッキーだった。ここまで自分の思惑通りにいくとは正直思っていなかった。ナル、お前を永久banにするのもそう遠くないかもしれない」


「部長、やっぱり流石ですねKって」

「うむ、ナルの存在。そしていい歳にもなってポケモンをしていることを証明した」


「ナル、お前がどんな手段で生主を潰しているのかとても興味がある。しかしそんなことはお前を捕まえればわかることだ。」

「面白い、受けて立とうじゃないか」

「K」「ナル」「「必ずお前を見つけ出して始末する」」 「俺は」「私は」「「つえーよ!!!」」


第二話「対決」完

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