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未定

 柊一郎への報告から一週間が経とうとしていた。

 調査は打ち切られていたが、雅夫の独断で進めるという方針のもと調査は続けられていた。協力者であり、出資者である彼を失ったのは大きな痛手であったが、調査を打ち切るという選択肢はなかった。それは自分がした超常的といえる経験が、得体の知れない恐怖を呼んだからかもしれないし、それは単なる好奇心のようなものかもしれなかった。ともかく何かしらの調査を続けなければ気が済まなかったのだ。

 しかし、調査は一向に進んでいない。

 というのも沙智との面会をずっと断られ続けているせいだ。

 そんなに病状が芳かんばしくないのかとも思った。しかし病院に問い合わせてみたところそんな様子もなく、近いうちに退院できる状態ではあるらしい。警察や親族たちも面会できているようで、どうも雅夫がピンポイントで面会を断られているようなのだ。

 どういう事情なのかと雅夫は考えた。さてはまだ誘拐犯であると疑われているのか。たしかに彼女の不可解な失踪と発見されてからの言動を鑑みると、どうしても雅夫に行き着くのは当然である。しかし、その後の警察の捜査の経緯(いきさつ)を知る限り、雅夫の嫌疑というものはほぼ晴れたと言ってもいい。となると、倉間一族が単独で雅夫を避けているのだろう。

 理由は何だ……? 

 

 こうなると調査も満足に進められない有様である。仕方なく他の方法で調査を進めることにした。

 雅夫は箱達がまとめた事件の概要に目を通し、その中から失踪事件に近しい人間をリストアップしていく。その中の何人かに雅夫が失踪事件について調査していることや、協力してほしい旨を書き添えたメールを送る。


他の失踪事件の関係者に連絡を取ってみたり、新しく見つかった宗教的な文章を箱達に分析させたりするのだが、結局これといった進展はなかった。

 


 響はあの一件以来事務所に顔を出していない。

 倉間の仕事については代理で他の社員を寄越し、自身は沙智に付きっ切りというわけだ。結局のところ雅夫と彼女の関係は失踪事件によって成立していた。それがなくなったことで彼女に会うことはもうないのかもしれない。

 そう考えてみて虚しくなって、探偵事務所の窓から外を眺めてみる。寒さも消えすっかり春めいて、生気を帯びた街路樹や青い空が暖かな気持ちを呼び起こす。それがまた寂しい気持ちを呼び起こして、彼は

ひょっこり響がやってこないかと思ったのだった。


 午後になって、平良からの返事が来ているのに気が付いた。

 例の一件について報告したいということで、メールを送っておいたのだ。以前会って以降の調査に関する概要と沙智が発見されたということ。そして発見に至るまでの不可解な点については、後日会ったときに詳しく話したいという旨を記していた。平良は自身の不思議な体験について表に出すことを拒んでいた様子だったが、失踪でセットで残される文章についての調査については続けているはずだ。雅夫はそう思っていた。それが事実かはさておき、返信のメールには後日平良が勤める大学の教員室まで来てほしいとの内容が記されていた。雅夫はその日の予定をすべて前後に振り分けると、すぐに了解であるというメールを送る。

 これで一歩前進というほど甘くはないかもしれないが、『声』に関して共通の考えや価値観を持てそうな人間と会えることは雅夫にとって大きなプラスだった。柊一郎はあの状態だし、沙智には会えず仕舞いとなると、まともに意見を共有できそうなのは平良だけなのだ。


 雅夫は

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