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俺の転生体は異世界の最凶魔剣だった!?  作者: まさみゃ〜(柾雅)
三章 神を冒涜する腐敗都市
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69 異変

生存報告を兼ねて投稿……

 出血は仕方ないので手ごろな布を探して、それを浄化して止血に使った。一応消毒はしておいたから大丈夫だろう。因みにキリカは退いてくれた。

 それよりも、だ。何故か俺は〈実体化〉が使えなくなった。本体のステイタスを確認してもそのスキルが見当たらない。そして俺自身のステイタスにも異変が起こっていた。



 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

 【ステイタス】

 ケイト=オリサカ 状態:安定

 スキル:〈鑑定Ⅱ〉

     〈回復魔法(小)〉

     〈疾走〉

     〈居合術〉

     〈抜刀術〉

     〈剣技Ⅶ〉

     〈魔力弾Ⅰ〉

     〈思考加速Ⅰ〉

     〈身体強化Ⅰ〉

     〈峰打ち〉

     〈属性付与エンチャントⅠ:毒〉

     〈音響砲ハウリング

     〈風刄Ⅰ〉

     〈水刄Ⅱ〉

     〈鎌鼬〉

     〈蛇牙スネークファング

     〈剣技(花)〉

     ―〈彼岸花ヒガンバナ

     ―〈アザミ

     ―〈弟切草オトギリソウ

     ―〈待雪草マツユキソウ

     ―〈蕗之薹フキノトウ

     ―〈竜胆リンドウ

     ―〈苧環オダマキ

     ―〈紫陽花アジサイ

     ―〈黒百合クロユリ


 パシッブスキル:〈剣技上昇Ⅶ〉〈桐花の加護〉〈毒耐性Ⅹ〉〈毒変換Ⅰ〉〈暗視Ⅳ〉〈魔素変換Ⅲ〉〈魔王(Satan)封印Ⅱ〉、【無神論(Bacikal)

 称号:狂愛者見習い、神にし(The world )て世界(of The god)

 装備:《魔剣:メラン=サナトス》、礼人の衣、深淵蜘のグローブ、礼人のズボン、旅人のブーツ、首飾り

 所持品:毒狼革のバッグ[小銭入れ[金貨1枚、銀貨7枚、鉄貨100枚、銅貨500枚]、黒ローブ、ペスト医師のマスク]

 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―



 ステイタス画面は久し振りに開いたがまず年齢とHP、MPの表記が消えた。そして【無神論(Bacikal)】という謎のスキルが追加された。もう、どうなっているのか分からなくなってきた。


「……どうなってるんだ……あ、そうだ」


 俺はキリカが持っていた黒いタロットカードに目がいく。


「キリカ、そのカード見せてくれるかな?」

「これですか? どうぞ」

「ありがとう」


 黒いタロットカード。それは特に仕掛けの無い普通のカードだった。空に向けて透かしても……って今は夜か。しかも空気の澄み具合からして真夜中……太陽光で透かすこともできない。

 仕方ないから灯り代わりの松明の炎に向けて透かして見るが、特に何もなかった。


「何でこんなものが俺の近くに……? 黒いアルカn――おっと!?」


 そこにドスンッと誰かが俺にタックルをかましてきた。その犯人は顔を俺の背中に埋め、腰を腕でガッチリとホールドしてくる。

 その衝撃でカードは手から離れてしまい、俺は慌ててカードを掴もうと手を伸ばした。しかし、その手を避けるようにカードは空を舞い、そして俺の胸元に来るとするりと入り込んだ。

 その光景を見た委員長、もとい阿木律子は慌てて俺の胸倉を掴みかかってくる。


「おおお織界くん!? ちょっと! ペッしなさい! ほら、ペッて!!!!」

「お、おい、待ってくれ! そもそも飲み込んでないから吐き出すこともできないって!!」


 胸倉を掴まれ揺さぶられるが、できないことはできない。というか、俺にも何が起きたかわからない。多分、取り込んだんだと思うけど……気の所為であって欲しい。いや、現に起きたことなんだけど。


「ごしゅ――ケイトさん、流石に悪食は程々にした方が……」

「だから食ってないって!!」


 というかツッコミを入れている場合じゃ無い。ステイタスに変化は無いか確認しないと。





 結論。特に変化は無かった。

 因みに時刻はもう陽が出始めた頃だった。


「なんだよ……この状況は……」


 背後から声をかけられる。振り返ると、そこには勇者君がいた。ちょっとだけ揶揄うか。


「やあ、勇者くん。随分遅い登場だね」

「なーに余裕ぶっこいてんだよ魔王。随分ボロボロじゃねーか」


 ふむ、どうやらここに来るまでに彼には心変わりの起点となるものがあったようだ。


「あ、バレた? いやぁ、聖女の治療は受け付けなくなるわ、とっておきの回復方法も出来なくなるわ、魔力もすっからかんで満身創痍なんだよねぇ……しかも回復魔法が扱える人がこの場にいないとまで来た」

「……よく生きてんな」

「そりゃ、勇者がいるからねぇ……」

「ちっ、相変わらず変な笑みを浮かべながら余裕そうに振る舞いやがって」


 そう言われて口元に手を当てる。

 あ、本当だ。俺、笑み浮かべてる。指摘されるまで気づかなかったなぁ。


「え〜、これでも結構疲れてるんだよ? まぁ、今は彼女に支えてもらってるんだけど」


 俺がそう言うと、俺の背に顔を埋めてたキリカが拘束を解く。


「おっと――」


 少し彼女の方に体重を預けていた為、彼女が離れた際に俺は態勢を崩してしまった。

 だが、キリカが慌てて俺の腕を掴んで自身の方へ引っ張った。


「ご、ごめんなさい! 大丈夫ですか……?」

「いや、こっちこそごめん。ちょっと気が緩んでた」

「びゃ、白戦姫!?」


 おい、俺が振り返る前に視界に入ってただろ。何今気が付いてんだ。


「な、なんで魔王と白戦姫が……」

「なになに? 俺とキリカがどうしたの?」

「な、なんでもねぇ! それよりもメガネを掛けたセーラー服の女の子を見なかったか?」


 少し慌てた様子を見せた勇者君だが、注意を逸らすように律子の話題を出した。


「ああ、律子の事? 彼女は……」


 律子がいる方向を見ると、彼女はシャヌアに追いかけ回されていた。そう言えば俺の怪我を治せなくて今、気が立ってるんだっけ?

 だからなのか、俺の次に怪我が酷い律子を標的にしたようだ。


「な、何だよこの状況は……」

「さぁ? 俺にも分からない」

「お前この場にいただろ!!」


 寂しく響く勇者君のツッコミ。

 さっきまでのシリアスな雰囲気はどこに行ったんだろうね。

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