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俺の転生体は異世界の最凶魔剣だった!?  作者: まさみゃ〜(柾雅)
三章 神を冒涜する腐敗都市
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66 エーテル臭を発する緑色の炎

最新話投稿までが長らくお待たせしました!( ;∀;)

言い訳はあとがきにあります( ;∀;)

 聖剣を片手で握りながら牢屋から脱出する。不思議なことに、誰とも鉢合わせにならない。


「なあ、少し変じゃないか?」


『ちょっと待ってくださいね……あら? よくは知りませんが、闘技場に大きなものが一つしか周囲には感じませんわね……』


 俺は廊下を走りながら聖剣に話し掛ける。聖剣は少ししてから俺の問いに答えたが、理由は知らないらしい。


「で、魔王の方はどうだ?」


『魔王ですか? あら、丁度闘技場の方にいるようですよ。でも私の妹と似ていますわねぇ……』


 勘が結構当たるな。ふと思った事を言っただけだが、不思議だ。ところで聖剣の妹ってこの《ゼーン・レウコン》の姉妹剣なのか?


「まあ良い、直接目で確かめにっ!?」


 俺の脳内に警鐘が突然鳴り響いた。だがら直ぐにその場から飛び退くと、さっきまで俺が居た場所にピンポイントで緑色の炎が燃え上がった。


「た、タイミングが合わなかったら消し炭にされてた……」


 火柱が収まると、そこには眼球が緑の炎の女性が立っていた。スタイルが良くつい見惚れそうになるが、鳴り止まない脳内の警鐘が俺の警戒心を維持してくれている。


「ふむ、ただの人間の小僧か」


 威圧感が半端無い。剣を構えようにも身体が全く動かない。それにその燃え盛る炎で見つめられていると、俺自身の認識にズレが生じるみたいで怖い。


「可哀相に……恐怖に支配されて動けぬのか。せめて、楽に逝かせてやろうか……」


 そう言って女は俺に向かって右手を差し出す。人の形をしているはずなのに、女の輪郭は炎の様に揺らいでいる。


「せ、〈聖鎧〉!」

『限定行使、〈聖鎧〉の効果を向上させますわ!』


 無理矢理スキルの名前を叫び、行使したと同時に俺は緑色の炎に包まれた。けれど、聖剣に依って効果が向上された〈聖鎧〉のお陰で命はまず助かった。

 ……でもガソリン臭い。


『口は開けない方がいいですわよ! 喉を焼かれてしまいますからね!』


 他のスキルを使って反撃しようとして、口を開けるところだったから助かる。


『この相手は今の貴方では勝てませんわ。けれど、その身体を少し私に預けてくださるのなら勝率を上げる事が出来ます。どうしますか? 勇者』


 勝てない事はあの威圧感から直ぐに理解した。だから答えは決まっている。


 ―ああ、頼む!


『ではお身体をお借りしますわね』


 聖剣のその言葉を聞いた次には四肢の感覚が無くなった。意識は頭に残っているが、身体が勝手に動いている。その過程で、俺が未だ覚えていないスキルを聖剣は使用して炎の中を生き延びている。

 羨ましい。俺もそんな風に戦えるようになりたい。それで、誰にでもいいから評価してもらいたい。





 それから、聖剣は俺の身体を使って数時間も耐えていた。


『……どうやら私の策は、彼女に気付かれていないようですわね』


 ―策? ああ作戦か。で、どんな作戦なんだ?


『簡単ですわ、魔王に擦りつければ良いのです。これも戦略のうちの一つですから、ゲスではありませんわ。でも、あまり積極的にやる様なものではありませんが……』


 ……ゲスい。でも、今はそれくらいしか出来ないのなら仕方がない。仕方がない……から割り切らないと。

 視界だけはまだ残っているから分かるけど、俺の位置は徐々に場所がズレが発生している。半歩足を出して攻撃して一歩下がって避ける。その繰り返しで聖剣が言う魔王のいる場所に移動しているらしい。


 ―なぁ、俺の身体はちゃんと保つか?


『その点は御心配なく。全く問題ありませんわ』


 俺には現在、身体の主導権を聖剣に譲渡しているから背後を確認することができない。けれど、今は彼女を信じることしかできない。


『今は悔しいと思いますが、貴方にはまだ伸びしろがあります』


 ―どう言うことだ?


『貴方はまだ、“勇者”では無いのですから』


 聖剣は更に語る。


『勇者とは、勇気ある者の事であるのはご存知でしょう? ならば簡単ですわ。勇気ある行動により、偉業を成した者を勇者と呼ぶのです。だから、貴方の勇者と言う職業やスキルは結末の前借りという事』


 それを聞いて、俺の何処かにある痼りが取れた気がした。


 ―……そういう事か。だから俺は、この世界に勇者と呼ばれていても、自分の強さを見つけられなかったのか……


 魔王に負けてから、自分が本当に勇者と言う存在であるのか疑問を抱いていた。けれど、もう迷いは無い。


 ―帰ったら……まずはこの髪の毛の色を戻そう……


『その方がよろしいですわよ。少しも似合っていませんし』


 酷い。でも、相手の攻撃を捌きながら軽くそう罵れるのだから流石は聖剣だ。


「なかなか長く耐えるでは無いか……面白い。だが、モルディギアンの元へ誘導していることは見え見えだぞ?」


「っ!?」


 ―バレてるじゃねーか!!


 女は笑いながらこちらを見ている。どうする……どうすればいいんだこの状況……


「だが、面白い。その策にあえて乗っかってやろう」


「随分余裕なんだな……」


 口の主導権を一時的に返してもらい、俺は彼女に話しかけた。


「ああ余裕だ。あの御方に従う身として、脆弱な人間の小僧に苦戦するわけにはいかないからな。それにそろそろモルディギアンを回収せねば危うい」


「回……収……?」


 剣先を女に向けながら俺は疑問の言葉を口にする。けれど、彼女は「すまない、それは聞かなかったことにしてくれ」とだけ言って、その場から消えてしまった。

まずはじめに、更新が止まってしまい本当に申し訳ないです( ;∀;)

理由(言い訳)としては心がポキッと折れたからと言っておきます

一応は順調に書けてはいたんです( ;∀;)

でも、何をトチ狂ったのか、私、柾雅は上書き保存をせずブラウザを閉じてしまったのです( ;∀;)

気がついた頃にはもう遅く、もう一度開いた時にはほぼ序盤辺りからリスタートでした( ;∀;)<ここで心が折れた

立ち直るまではカクヨムとノベルアッププラスで魔女ものを投稿していましたが、心が折れ以来全くこの話が書けなかったです……

べ、別にすぐに開き直って遊んでたわけじゃないんだからねっ

……まあ、兎に角、最新話が書き上がって良かったです_:(´ཀ`」 ∠):

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