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俺の転生体は異世界の最凶魔剣だった!?  作者: まさみゃ〜(柾雅)
三章 神を冒涜する腐敗都市
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64 ……(°▽°)タイトルが思いつかねぇ……

「まずはその巫山戯た思考をする脳を地に蒔いてやろうか!」


 モルディギアンの触手がすぐ目の前に迫ってくる。タイムラグが無く、回避や防御は不可能に近いだろう。


「ならば糸でっ!?」


 触手を糸で掴み、触手の勢いと共に移動する。勿論、その後は俺は触手と共に闘技場の壁に打ちつけられた。体のどこかで鈍い音がしたが、今の所命に別状ない。それに、痛みは感じない。だから聞き間違えだろう。


「チッ、生きていたか……」


「まあまあ、まだ楽しむ時間はたっぷりあるだろ?」


 楽しい。イゴールナクの時よりも楽しい。こっちは為す術がない状態で、向こうはまだピンピンしている。俺は戦闘民族ではないが、こんな展開は楽しむしかない。


[《個体名:ケイト=オリサカ》の魂の変質、及び安定化の兆候を確認。《種族:憑物(ツキモノ)》への変化を開始いたします]


 脳内に直接響く機械音。それが聞こえたかと思うと、急に怠さがのしかかってきた。


「魂の変質と安定化が開始してしまったか……だが良い。結果も手段もどうせ変わらん」


 どういう経緯か分からない。どうして今、安定し始めた?ただ、突然の事でちゃんとした思考ができない。けれど、考えている暇は今は無い。


「もう少し、力を借りる……!」


 状態に糸を瞬間的に張り巡らせる。そして、その糸を活用しながらモルディギアンに接近する。糸の張力を利用し、瞬間的に糸の足場から足場までの移動は楽しい。


「まずは目潰し……」


「何っ!?」


 モルディギアンの目の役割を果たしていた器官をまず破壊する。いくら月明かりが有っても、対処できなければ問題はない。

 それに避けようとすると、蜻蛉の目の器官を備えたアトラク=ナクアの能力の前ではただの自殺行為。次々と触手が破壊できる。

 勿論再生させない様に、毒で細胞を死滅させておく。


「さっきまでの威勢は何処へ行ったんだ? 食屍鬼の王」


「お、おのれぇぇぇぇぇぇぇえええええええ!!!!」


 モルディギアンが肥大化する。糸に接触する肌を硬質化させながら肥大化した奴は、口を大きく開けて上へ伸びる。そして、顔を落下の勢いに合わせて地に落とした。

 奴の口の中に入った糸は崩れてしまい、これはこの状態で受けると危ないと思われる。


「チッ……ズレたか」


 地面に触れた所から液状化して、モルディギアンは悪態をつきながら元の姿に戻る。だが、疲弊している様子は見られない。


「……まあ良いか」


 奴がそう呟くと、背後から鈍い音と共にぶつかって来た。直ぐに背後を振り返ると、何故か委員長……阿木律子が腹部を触手に貫かれていた。


「なっ!? どうやってあの檻から……!?」


 モルディギアンは慌てた様子で檻の方向へ視線を向けている。しかし、俺は何故か頭の中が急に真っ白になった。

 向こうではただの話し相手だった筈だ。なのに、どうして奴に集中できない?


[心理的外傷を確認しました。変質、及び安定化を早急に終わらせます]


「ぐっ! がぁっ――!」


 身体中に激痛が走る。関節が無理矢理反対方向へ曲げられたり、筋肉を直に引きちぎられたり、眼球を抉られたりと、そんな痛みが脳を埋め尽くす。外見的にはそんなグロテスクな事は無いのだが、そう表現するしか無い。

 あまりの痛みに、俺は地面にヘタリ込む。でも、無理矢理両腕両足で身体を支える。立っていられないが、この状態なら嫌でも身体を支えられる。

 獣の様な唸り声を上げ、涎が汚らしく垂れる。耳の中では、骨が軋む音や砕けた様な鈍い音が響いている。

 バチバチと電流が走る様な視界には、キリカとシャヌアがモルディギアンと戦っている。

 ダメだ。奴は俺のえ……違う。いや、え…も……だ。え、も。え、物。獲物。獲物獲物獲物獲物獲物獲物獲物……










 時は少しばかり遡る。

 少女達はその頃、未だ恋バナに花を咲かしていた。


「所で、キリちゃんはご主人様が好きな事は十分伝わったけど、きっかけは何だったの?」


「きっかけ……ですか? まぁ、簡単に言えば一目惚れですね。あの時のケイトさんの姿は今でも鮮明に思い出せます……」


 そう言いながらキリカは恍惚とした表情を浮かべながら思い出す。

 その様子を見た律子は気になり、どんなシチュエーションか聞いた。


「えっとですね……えへへ――」


 二人はその内容が真実なのか耳を疑った。それはありえなくは無い話だが、彼がそんな事をするはずが無いと否定しようとする。


「此方側でも一目惚れはしましたが……ええ、やっぱりあの時の彼の姿が一番ですね!」


 嬉々と語るキリカ。律子は彼女の手がふと目に入った。

 包帯で保護された左手全体。その包帯にはほんのり赤が滲んでいた。

 シャヌアは改めてケイトの性格を知り、自身の欲求を満たしてくれると確信し、妄想に耽っていて、キリカの左手には気が付いていない。

 だから律子ははキリカに尋ねた。


「ところでキリカちゃん……その左手は……」


「これですか? これは――っ!?」


 モルディギアンによって月明かりが影で隠れる。そこでキリカはハッと後方を確認する。彼女の目先の様子の説明は簡単。モルディギアンが大きく口を開けて、ケイトを呑み込もうとしていたのだ。


「だめっ!」


 キリカは鉄格子を左右に抉じ開けて脱出する。そして、自身の髪の毛を一本だけ軽く引き抜いて、即興の武器へと変化させた。

 それに続いてシャヌアも飛び出す。シャヌアの場合は、階級の一番下である天使(エンジェル)となって弓を構えた。

 律子は、自身に戦う力がない事は知っている。だから、二人の様に勢い良くは飛び出さなかったが、酷い悪寒に苛まれながら檻から出ていた。それは、自身に降りかかるものではなく、織界圭人に対して降りかかるものだと直感して。

 結果的に彼女の予想は当たっていた。だから律子は今、腹部に穴を開けて血を口から吐いている。それをケイトは驚きながら眺めていた。そんな彼の表情を久し振りに見た律子は、笑顔でその生を瞼とともに閉ざした。

四月以降は、私の都合により更新が死にますm(_ _)m

(`・ω・´)gでも、少しずつ書き溜めたり更新はしますので!






















大学受験が憂鬱……_:(´ཀ`」 ∠):

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