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俺の転生体は異世界の最凶魔剣だった!?  作者: まさみゃ〜(柾雅)
三章 神を冒涜する腐敗都市
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59 恋バナ?

「あ、あの、だ、大丈夫ですか……?」


 私は目の前で鼻血を垂らしているリツコを見て言いました。私達は何もしていないはずなのに、彼女は右手で鼻血を抑えています。しかし、鼻血はポタポタと彼女の指の隙間から垂れ出ていました。


「シャ、シャヌアちゃん」


「わ、分かってる。今治すわ」


 私はシャヌアちゃんに治癒をお願いします。シャヌアちゃんがリツコに治癒を施すと、彼女は私達に謝りました。


「ごめんなさい。ちょっと興奮しちゃって……」


 こう……ふん?


「え、えっと、それは――」

「マゾヒストな下僕聖女様に、可愛らしくも病んデレ風味な婚約者……織界君やるわね〜ぐへへ」


 あ、ダメですこの人。この人みたいな人種は、神様時代の私は何人は見かけましたが、重症です。美人さんなのに勿体無いです……


「ねえキリちゃん私この人が怖い」


「わ、私も怖いですよ……」


 涙目でシャヌアちゃんは私の手を掴んできますが、私も涙目ですよ〜……


「美少女二人がお互いの指を絡ませながら怯える構図……やっぱり異世界は最高ね……っと、私とした事がつい興奮してしまったわ……」


 リツコはそう言うと、コホンッと咳き込むと平常モード?で自己紹介を再開しました。


「私は信じてもらえないかもしれないけれど織界君の元クラスメイトよ。勇者召喚に巻き込まれて一緒にこの異世界に来てしまったの」


「え、じゃあケイト(ご主人)様って何者?」


「あ、シャヌアちゃんには言ってませんでしたっけ? ケイトさんは魔剣ですよ」


「え? 織界君って人間じゃないの?」


 私は二人の様子を見て、疑問解消のために彼との出会いを語る事にしました。








「うわ〜。織界君らしいわー」


「流石ですねケイト(ご主人)様は……」


「シャヌアちゃん、涎」


 私は、ケイトさんとの出会いから話しましたが、リツコさん曰く「テンプレとちょっと違う」らしく、私は彼女から『てんぷれ』教わりました。

 現在私達は檻の中で暇ですからこのくらいの話は大丈夫……ですよね?


「脱走を図らないければ別に好きに駄弁ってろ」


 私は一応確認を取るために振り返りましたが、あっさり許可が下りました。

 べ、別にケイトさんの戦う姿が見たくない訳ではありませんよ?私はただ、さっきの試合以降の彼は負けるような事がないと信じているんです。







「まあざっと言えばこれらがテンプレね〜」


 リツコから聞いた『てんぷれ』はとても面白かったです。ですが、


「その世界の女性の方々は惚れ症なのでしょうか?」


「あ、それね。私もキリちゃんと同じでそう思った〜。私はご主人様のあの容赦無い攻撃が気持ち良かったのがきっかけだもん」


 シャヌアちゃんは砕けた口調でとんでも無い事を言っていますがここは一旦スルーですね。


「私の場合はちょっと特殊なんですよね……」


「えっとエムメレク…様はあの出会いがきっかけじゃ無いの?」


「キリカで大丈夫ですよ。シャヌアちゃんもフレンドリーの方がいいですよね?」

「勿論!」


「じゃあキリカちゃんとシャヌアちゃんで呼ぶわね」


「どうぞ。それで……私が彼を好む理由…ですね。えっと、これはケイトさんしかまだ知らない事なのですが……この期にシャヌアちゃんにも話しますね」


 私は自身の秘密を話す事にした。リツコは前世のケイトさんとは良き友人だという事は知っていましたが今回で人柄を知れたので、信用に値するでしょう。

 私は自身の前世を……二人だけの秘密にはしていませんでしたが、話すとなると少し寂しいですね……

 まぁ、話すのですが。


「実は私は簡単に言うとリツコが言う転生者と言うものです。転生前の私は……神様をやっていました」


 話し始めたら自然と止まらなくなった。案外、軽く話せる事なのだろう。


「神様としてはとてもマイナーで、次第に私への信仰は忘れ去られてケイトさんが生きる年代まで時が流れました。元々大人ぽかった容姿だったのですが、次第に背も縮んでしまって、今の私より少し低い背丈まで小さくなりましたね。その頃から私はケイトさんを見ていました。それはもう、彼が小学生の頃からですね」


 彼の小学生の低学年の頃の可愛さはとても癒しでした。

 高校生になるに連れて、彼の魅力は私の心を鷲掴みにして離してくれませんでしたね……


「彼が落命するまで、私は彼の信仰のお陰で生き延びれました。普通、信仰を失った私は消えるだけの存在だったのですが、最後に神力を彼に贈ったら人間の死としてカウントされて今に至ります」


「へぇー。じゃあ織界君のシャワー浴びている所とか覗き見してたのね〜」


「な、何故それをっ!?」


 り、リツコはエスパーなのですかっ!?

 これは私のトップシークレットの一つなのですが!


「あ、本当だったのね……(まさか適当に言ったのが当たるとは思わなかったわ……)」


 リツコは最後あたりに何か言っていた気がしたのですが、残念ながら聞き取れませんでした。それとも気の所為なのでしょう。


「って事はキリちゃんが一番ご主人様の事を知っているの?」


「趣味から思考、黒子の数と位置は知ってそうね」


「一応ですが古傷の数とその位置も知っていますよ」


 私がそう言うと、二人はすぐに「えっ」と驚いた表情で私の方に顔を向けました。


「え? えっと……色恋ものの方で気になってしまった相手の事はなんでも知りたくなります……よね?」


「えっと、まさかじゃ無いけどキリちゃん、ご主人様の持ち物とかは……」


「転生前は制約で現界できなかったので使用済みの物とかは回収できませんでしたね……今はフィーラに頼んで回収してもらっていますよ?」


 私はそれがどうかしたのかと思いながら答えると、リツコは「この娘だめだ。症状の進行状況が酷い……」と言いながら右手で鼻血を抑えていました。


「き、キリちゃん。ま、まだ匂いを嗅いだり、舐めたりはしてない……よね?」

「な、舐めっ!? そ、そそそんなことする訳ないじゃ無いですか! 匂いを嗅ぐ事は悪いって思っていますが止められませんけど、流石に使用済みのスプーンなどは舐めませんって!」


 私は慌てて聞かれた事に対して否定しました。「匂いは嗅ぐのね……」と、二人に少々呆れられていますが……


「お前達な……確かに脱走関連の話はするなとは言ったが、色恋ものの話で盛り上がるな。それと白い方の小娘、今までの話は聞かなかった事にしてやるが、くれぐれも小僧には知られるなよ?」


 不死者達の王様がいた事を忘れていました……予期せぬ人物にで、更に異性となると少し恥ずかしいですね……


「き、気を付けます……」


 私はそう言うしかありませんでした。今、とても自分の顔がとても熱くなっています。おそらく私の顔は真っ赤になっているのでしょう。

次回は主人公サイド(`・∀・´)g

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