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俺の転生体は異世界の最凶魔剣だった!?  作者: まさみゃ〜(柾雅)
三章 神を冒涜する腐敗都市
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56 アトラの大冒険

 煤で汚れたお城。ママさまともパパさまとも逸れちゃったようです。わたしは独り、屍鬼の兵隊さんが徘徊している廊下の天井を進んでいます。さっきまで大きくて怖い力の発生を感じたけど、今はもう収まったみたいです。


「(なあ、聞いてくれよ)」

「(シッ、この扉の向こうには王が居られるのだぞ。無駄話してたら首が飛んじまう)」


 屍鬼の兵隊さんが何か小さい声でお話ししてるみたい。わたしはソッと、兵隊さんの真上まで移動すると、じっとお話しの内容を聞くことにしました。


「(まあ、ちょっとぐらいはいいだろう?どうせ誰も来ないんだしさ)」


「(お、俺はたまたま耳に入っただけだぞ……)」


 そして、扉から右側の兵隊さんが話し始めました。










「(……ま、てな訳よ。剣奴が最後まで勝ち残れるか楽しみだな………)」


 やっとお話が終わったみたいです。お話のはとても難しい言葉ばかりだけど、“けんど”はパパさまで、どうぎじょーの“ゆーしょーしょーひん”がママさまとマゾせーじょさまだと言うことは分かりました。でも、もう一人いるみたいだけど、わたしが知らない人だと思います。

 と、兵隊さんのお話がちょうど終わった頃に、誰かが来ました。見た目は緑色の髪を持った女の人で……とても怖い感じがします。


「暇だからお前たちの王のところに来た。通してくれるか?」


『はっ!どうぞ、お通りください』


 そう言って女の人は扉を潜ろうとします。その時、兵隊さんに一言言いました。


「ああそうだ。一つ助言のようなものだが、天井もたまに確認するといい。ネズミが一匹くらいは見つかるやもしれん」


 ぎくり。ま、まさかあの女の人、最初っからわたしのこと気が付いていたの……?


「上……ですか?」


 兵隊さんの一人が顔を見上げようとしました。私は大慌てでその場を離れました。










 こ、ここなら誰も……来ないよね?

 私はたくさん走りました。見つかるのが怖いからずっと天井を走っていたけど、流石にもう限界みたいです。

 私は壁伝いにそっと地面に足をつけました。地面はザラザラしていて、多分わたしの足には沢山の埃が付いていると思います。感触がとても気持ち悪いです。

 それよりもあの緑色の女の人、怖かった……ただそこにいるだけで、ママさまと同じ雰囲気があったんだもん。でも、ママさまのよりももっと重くて死んじゃうんじゃないかと思いました。

 早くママさまとパパさまの所にに帰りたいけど、まだパパさまもママさまも見つけてないの。どこにいるのか分からないけど、絶対に見つけます!




「――――」


「――――」


 ある扉から何か音が聞こえてきました。わたしはそっとその木の扉を押して開けると、石でできた階段が下に伸びてました。そこからパパさまの声が聞こえます!

 だからわたしは、勢いに身を任せて鉄格子にぶつかりました。


「っ!?アトラ!?」


 へへーん!やっぱりここにパパさまがいました!

 でも、なんで鎖で繋がれてるの?あとそこに泡を吹きながらぐるぐる巻きにされて寝てる人って誰?


「はは……ちょっと捕まっちゃってね……あとこの人は俺との口論に疲れて寝ちゃっただけだよ」


 パパさまが捕まっちゃった!?

 ど、どうしたら……

 わたしはその場で忙しなく動くことしかできませんでした。


「大丈夫だから安心して、アトラ」


 わたしはその言葉を聞いて、動きまわるのをやめてパパさまを見ました。


「そう、大丈夫だ。だからアトラ、お前に頼みたい事があるんだが頼まれてくれるか?」


 パパさまがわたしに頼みごと!

 私は右足を額に当てて、敬礼します。


「そうか、じゃあお願いだ。俺の剣を……探してきてくれないか?」


 パパさまの剣……?


「多分この城の宝物庫あたりにあると思うんだけど、見つけたらその場に居てくれ。もし、剣が持ち運ばれるような事があったら、剣を守らないでそのまま気付かれないように跡をつけてくれ」


 なるほどです!

 わたしはりょうしょう?の意味を込めてその場でもう一回敬礼しました。


「じゃ、頼んだよアトラ」


 わたしはそう言われて、その場でジャンプを何回かして出口に向かいました。







 お城は相変わらず真っ暗です。わたしは今、天井を歩いているのですが、さっきから兵隊さんの姿を見かけなくなりました。進んでも同じ風景で、ちょっと飽きてきちゃったのは仕方ないと思います。


「……えっと、この剣を宝物庫に頼まれたけど……なんで屍鬼上りしたばかりの僕が……ハァ………」


 男の子の声が聞こえました。どうやら向かい側からこっちに向かってきているようです。

 わたしはその場で止まって、声の人が来るのを待ちました。少ししたら姿が見えたので、結構近かったようです。

 男の子が持っていたのは、剣でした。パパさまの剣です。パッと見てすぐにパパさまのだと分かりました。


「……って、ココドコ?」


 男の子が辺りを見回しています。両腕で剣を抱えているのですが、右手には地図がありました。


「確か地図にはこの辺りだって書いてあるんだけどなぁ……」


 私は男の子の背後に行って、こっそり地図を覗き見ました。綺麗に書かれた地図には、ちゃんとこの辺りの壁に部屋があるって書いてありました。わたしは、地図に描かれていた男の子の背中の方の壁をじっと見ていると、へんな出っ張りがあるのが見えました。なので、床に落ちていた石を糸で拾って、その出っ張りにめがけて投げました。

 コツンっと音が鳴ると、男の子の背中の方の壁が開来ました。突然の事で男の子のが驚いていましたが、私は急いでその中に入りました。


「えっと……この辺でいっか……」


 男の子が隠し部屋にパパさまの剣を置いたら、すぐに出て行ってしまいました。そのあと少ししたら壁が閉じたので、わたしはパパさまに言われた通りに動きました。

元旦に投稿するって言って寝落ち……_:(´ཀ`」 ∠):

みなさんあけましておめでとうございます

今年もよろしくお願いします(*´ω`*)

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