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俺の転生体は異世界の最凶魔剣だった!?  作者: まさみゃ〜(柾雅)
三章 神を冒涜する腐敗都市
60/81

50 (°▽°)……タイトルが思いつかない!

タイトルが思いつかなかったのでこのタイトル(°▽°)

 落とした死霊術大全を拾おうとした時、指に触れた死霊術大全が一気に漆黒色の灰と化して崩れた。


「っ⁉︎」


 俺は武器と本体を持ったキリカとアトラを抱えてその場から離れる。

 そして灰は、舞い上がるとそこから緑色の火柱が空高く登り、凄まじい熱を発した。


「死霊魔術大全が燃えた……」


 火柱は収まらず、行きているように身をくねらせている。


 ―クトゥグアか?いや、でもそれだったら炎の色は緑ではないはず……


「クッソ!」


 今は逃げることしかできない。キリカには見せられないものだから……

 逃げていてふと思い出す。


「今日は穂熟の月23日目!」


 ただ、残る疑問が二つほどある。それは誰が呼び出したのかと、その儀式をどこで行ったか。

 考えても考えても分からない。そのうち、熱を感じないと思って舞台を見ると、奴は光球になってどこかへ飛んで行く姿が見えた。方角的に、《死者の街》というダンジョンがある場所へと向かったのだろう。


「け、ケイトさん。今のは!」


「外なる神……だと思う」


「ティーナちゃんに報告しないと!」


 あー居たね、そんな神様。今頃お供え物で怒ってるんだろうなぁ……反省はしていないけど。


「多分見ているんじゃないかな?神様だし」


「そう……ですね。他の神様も見ているでしょうし……」


 空気が微妙になる。とても居ずらい。


「とりあえず今は……寮に戻ろうか」


「そう…ですね。では先に向かってます!ケイトさんはシャヌアちゃんをよろしくお願いします!」


 因みにシャヌアはと言うと、奴の降臨の際、直ぐにその場から逃げたので行方不明に。探さないとキリカが悲しむので俺は仕方なくシャヌアを探すことにした。










 シャヌアを見つけた。場所は……


「ふへへ……」


 俺が踏んでた。


「…………」


「もっと……もっとお願いします♡」

「断る」


 シャヌアの頭を右手で鷲掴みして身体を持ち上げる。流石にこれは痛かったのか、とてももがいている。


「キリカが心配してたぞ……」


 ため息混じりに俺はシャヌアを引きずりながらキリカが待つ俺の寮部屋に戻った。














 勇者:威雄(タケオ)は休憩室のベンチで作られた簡易的なベッドの上に寝かされていた。技の連発によるただの疲労と、何かに対する恐怖によって気を失っていたらしい。


「クッソ……頭がイテェ………っ!」


 一瞬、タケオの背筋が凍る。それの原因は決闘場の舞台がある方向からだった。


「な、なんだったんだ今のは……」


 しばらくの間、緊張がタケオの首を締め付けていたが、やがて緩んでくる。どうやら原因がどこかに移動したらしい。


「それにしてもあの魔王……俺なんかじゃあ敵わなかった……」


 自分が負けた事実が自身の威厳にただ刺さる。刺されたところからは、悔しさや敗北感が流れ出てタケオ自身を一層惨めな思いをさせる。

 ふと、魔王からの問いがタケオの頭をよぎる。


「人間……か」


 まるで哀れな生き様の生物を見るかのような眼差して問われたタケオは、威勢が消えていた。


「わかんねぇよそんなの……それに、人間じゃないお前(魔王)がこの答えを知ってるわけでもねぇしよぉ………」


 タケオの知識としては魔王は人外であり、人間とは全く違うものだと思われている部類だ。しかし、この世界では何らかしらの要因によって、人族や神族も含め、魔族や亜人族、魔物や植物、無機物など万象のものに稀に発現するスキルである。そのスキルは魔王に関係する名前の称号を得ると、発現しやすい。


「それにキリカや聖女シャヌアが俺の方を見てくれていなかったなんて……」


 更にのし掛かる敗北感。自分の弱さがただただ虚しく心に刺さるだけ。


「…………っ!負けてらんねぇ……!!!」


 魔王の顔を思い出す。その瞬間、タケオの闘志は激しく燃え上がった。

 ただ舞台に立つだけで、やる気のない魔王の目。余裕がありすぎて自分の攻撃を適当にかわす魔王。自分は相手にされていなかった。途中で、少しは見てくれたが、その眼差しに含まれていたのは哀れみ。


「俺は間違っちゃいない……今も…………あの瞬間も!!!!」
















 「いやァ……(イレギュラー)のおかゲで復活マデの暇ツぶしができていル……」


 無貌な黒影は、宇宙(ソラ)の果てで己の触手()を見る。秩序からの不意打ちを喰らい、蟻ほどの大きさまで弱ってしまっていた混沌の王は、かつての大きさまで戻りつつあった。稀にシャンタック鳥が運んでくる人間を食べては回復を進め、然るべき時に力を蓄えてもいる。


「儂ノ身体はホとんど戻った。アトは私の力のみ……」


 異世界より運ばれて来た魂は、造物主にとっては都合のいい駒でしかない。なるべく早く己の下へ来ないか待ち遠しく王は望む。


「僕はフッカつしなけレばナらない……」


 心を持たない無形の踊り子らが騒がしく主を囲み、踊っている。楽しげなのか、それとも恐怖なのか。誰にも分からない奇声をあげながら魔笛のメロディーに合わせて動く。膨張と収縮を繰り返す果てしなき魔王の無聊を慰める踊り子らの役割は、長い時を経てその効果は薄れて来た。だから真の魔王は求める。


「今度こそ余をタノしマせてくれヨ……魔王(挑戦者)…………」

ストックを沢山作らねば……_:(´ཀ`」 ∠):

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