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俺の転生体は異世界の最凶魔剣だった!?  作者: まさみゃ〜(柾雅)
三章 神を冒涜する腐敗都市
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48 お腹すいた(๑╹ω╹๑ )

タイトルは気にする必要はない。いいね?( ˘ω˘ )

 勇者と決闘する日は明後日に決まった。勇者と俺は少し下準備ができると思ったので、理事長の提案を呑む。


「さてと……主要武器はどうしよっかなぁ………」


 自室のベッドに腰を下ろす。今日は決闘の日程が決まった次の日。授業は明日の決闘の為無い。初めは理事長の提案かと思っていたが、それは子に学園の規則だったらしく、決闘当日とその前日は授業が無くなるらしい。ただし、授業を潰す決闘は理事長か学長の承認が必要であり、許可されない決闘に関しては授業は潰れない。


「うーん……縛りとして籠手で闘うか」


 膝の上に乗って来たアトラを撫でながら、籠手をどうするか考える。魔剣を変化させるのもいいのだが、それだと勇者を殺しかねない……


「あ、なぁアトラ……お前って糸は出せる?」


 撫でられながらアトラは肯定する様に糸を吐く。吐き出された糸の材質は、引っ張っても切れない糸だった。試しに普通の刀で切ってみても糸は斬れない。


「ありがとうアトラ……少しささやかなお願いなんだけど、もう少しこの糸を出せるかな?一応多くてもいいけど、アトラが無理しない程度には欲しい」


 アトラは俺の言う通り糸を出してくれた。ただ言ったよね?無理しない程度にはって……

 糸を出してバテたアトラを、専用のベッドに寝かせ、俺は糸を編んで籠手を作り始めた。







 身体が異様に軽い感覚がして目が覚めた。


「ここは……」


 辺りを見回せば、広い草原に俺はただ独り突っ立ていた。暖かい風が軽く吹く草原にはドッと構える洞窟状の祠がある。


「空が…ある……」


 今まで真っ白だったはずの天井には真っ青な大空が広がり、雲が流れている。


「そう言えば彼女は……?」


 アトラの母、アトラク=ナクアを探しに何となく祠の中に入る。中は松明に照らされて、誘導する様に灯りが並べられている。奥に進むにつれて、距離感覚がおかしくなる程松明が等間隔に並べられている。

 しばらく歩いていると、大広間に出た。その空間にはイゴールナクが座っていた玉座があった。そこに彼女は人の形状で座っていた。


「彼を殺したか……」


 アトラク=ナクアの第一声はそれだった。


「呆気なかったよ………ところでイゴールナクはどうした?」


 奴の気配がしないから彼女に問う。


「彼は弱い。彼よりも悪に近い者の中では彼は存在できぬ」


「隙がないからか?」


 ああそうだと彼女は普通に答える。俺としては否定して欲しかった。でなければまともに過ごしてきた元の世界の自分の人生に意味がなくなる。


「おや?覚えておらぬのか?」


「覚えてないって何が……?」


 記憶力に関しては昔からあまり得意ではなかったが、重要なことに関しては絶対に覚えている。


「それは……いや、今は止そう。今はお前の想い人()の為に闘わねば成らぬからな」


 どうやら見ているらしい。ならば尚更気になってしまうではないか。


「そうだな……もし、あの決闘で私が満足できる勝ち方で勝てば教えてやろう」


「余裕で勝てる……っと言いたいところだけど、貴女を満足させることができるかが心配だ」


「安心せい。もし満足することができたら私からここに呼び込もう」


 口の両端を吊り上げ、妖しくも美しく彼女は笑う。


「さて、そろそろ夜が明ける。素晴らしい戦いを期待しておるぞ」


「ああ、分かってる。存分に楽しんでくれよ」







 朝。アトラはまだ寝ていて、何故か俺はベッドに横になっていた。身体をゆっくり起こすと、かかっていた毛布が捲れ、隠れていたキリカが現れる。寝息からして狸寝入りだろう。


「くっ……んっ…んっ…ふぅぅ……」


 わざと大きな伸びをして、彼女に気付いていないと思わせる。そして……


「ん?キリカ居たんだ……」


 そして彼女の頭を撫でる。俺の手が触れてビクッと彼女は驚くと、少し顔に火が灯った様だ。

 このサラサラな髪をあの野郎には渡さない。この小動物のような彼女は渡さない。彼女は俺の支えだ。絶対に誰にも渡さない。


「さて、狸寝入りは辞めて欲しいのだけれど?」


「っ⁉︎」


 起きていることに気付かれていたことに彼女は驚く。


「俺は先に出ているけど、決して私物は持って行くなよ?」


「は、はい……」


 俺はいつも通り本体を腰に下げ、昨日製作した籠手をはめて外に出る。アトラは……キリカに任せよう。あの子はキリカのことを好いているようだしきっとキリカに付きっ切りだろう。










 決闘場の舞台に立つ。


「逃げずに来たようだな……魔王」


 三下発言をする勇者。はいそこの女子ー、三下発言にキャーキャー言わなーい。


「威勢だけは良いんだね…君」


 俺は腰に下げていた本体と刀を舞台の端に投げ、真っ白な籠手の位置を整える。


「その自信。根元から折ってやるからかかってこい」


 作り笑顔を崩し、勇者を見下す。この勝負は負けてはならないが、相手を殺してもダメ。


「お前の手から聖女と戦姫は必ず取り戻してやる!」


 二人はいつから君のものになったのかね?シャヌアはどうでも良いとして、キリカは渡さないよ?


「お待たせしました皆さま!本日は毎年恒例の乙女をめぐる男の闘い!今回はなんと!先日召喚された勇者さまと!謎の編入生!美男な二人が狙うのは我らが白戦姫と聖女様!全く羨ましいぃ!……」


 変な司会だ。あ、シャヌアは別に要りませんよ?どうぞ貰ってください。


「皆さん、本日の決闘にようこそお集まりいただけました……」


 どうやら理事長先生の話が始まったらしい。暇なのでボーッとしてよう。勇者は何故か俺のことを親の仇のように睨んでいるが、欠伸が出るくらい弱い。キリカはというと、アトラを抱きながら俺を凝視しているみたいだ。何故凝視されているのかは分からないのだけれど。


「長々と失礼しました。これより、皆様お待ちかねの決闘が始まります」


 それにしても……なんで俺の目の前にいる勇者側の席は満員なんだ?


「いや、これは知らない方がいいか」


 ちょうど勇者が剣を構える。ちょっと鑑定させて貰ったけど、どうやら聖剣らしい。こんなお遊びみたいな場所でそれを使うとか負けたら笑い物だよ?ま、全力で負かすのは確定だから関係ないけどね。

 でも、そんなことより


「お腹空いたなぁ……」

ブクマがいつのまにか100件!

ありがとうございます!(*≧∀≦*)

趣味で書いているので、正直皆様に楽しんで貰えているか小心者の私はとても心配です_:(´ཀ`」 ∠):

ですが、ここまで読んでくださる方が一人でもいれば、私のやる気に繋がります( ´ ▽ ` )

今後もまだ物語は続きますので、これからもこの作品をよろしくお願いします(*´ω`*)

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