【第12閑】 髪はヒロインの大事な一部なんです!~魅力あるヒロインの姿を作る為のヒント?~
今回は久しぶりに一話完結の軽~い読み物です。
また今回は、なろうでファンタジー小説を書いている男性の作者さんが読まれることを前提に書かれた内容となっています。
――目の色は赤、髪の色は銀で、髪の毛は背中まで届くロングのストレート……
これは「小説家になろう」で大人気のジャンル、西洋風異世界ファンタジーでヒロインの――取り分け吸血鬼を始めとする人外系ヒロインの特徴として良く見掛ける姿である。
これは言ってみれば読者に人気で、作者にも好まれるテンプレのヒロインの外見像である訳なのだが、これが悪いことだと言いいたいのではない。ぶっちゃけ筆者も大好物ですし……
ですが「我らがヒロイン」の見た目の特徴が、果たしてこの程度の描写だけで本当にいいの? 満足出来るの? 内面は兎も角、言葉を尽くして見た目をもっと魅力的に描けるのではなかろうか?
なろうで人気のジャンル、異世界ファンタジーは作者に若い男性が多い為か、メインヒロイン含めて女性キャラの見た目の可愛さ美しさなどは、作者の好みや理想を追求させているでしょうから、一応それなりに描かれていることが多いと思われるのですが……
ですが、作者が男性である為に女性のファッションについて疎く、大雑把になっているのと同様に、ヒロインの外見の方も具体的な描写が、実は大雑把になってしまっているのではありませんか? 女の子にとって大事な部分が疎かになってしまっていませんか?
女の子にとって大事な部分――髪型についてきちっと描いていますか?……ってことで今回のテーマは髪の色……じゃなくて「髪の種類」についてである。
なお今回は異世界ファンタジーを始め、あくまでイメージ的に二次元的萌えキャラであることを前提としたキャラメイクの話ですので、そのつもりでお付き合い下さい。
作者の皆さんがメインヒロイン或いはサブヒロインの髪の長さを設定した際、どんな感じに描いているでしょうか?
ショート、肩まで掛かるセミロング、背中まで届くロング……おそらくこの三種類くらいでは?……ですが「髪の毛の長さ」の種類ってそれだけでは無いのですよ。
とは言え筆者も詳しい訳ではないので、今回はキャラ絵に一家言あるであろうイラスト投稿サイトpixivのピクシブ百科事典から情報を引用させて頂きます。
ベリーショート<ショートヘアー<セミショート<ミディアムヘアー<セミロング<ロングヘアー<スーパーロングヘアー(※最短→最長の順)
……以上のように一口に「髪の長さ」と言っても、こんだけ細分化されてしまっており、その数実に七種類もある、らしいです。
作者の皆さんは、このうちどれだけその名前及び長さを把握、或いは普段意識されているでしょうか? おそらく四種類前後ではありませんか?
とは言えここまで細かく分けてしまうと、一つ一つの差異が微妙ですし、ひと目でそれと分るとも思えませんから、実際に明確に書き分けろと言いたい訳でもありません。
これらを念頭に入れて書いたら、描写も一味違ってくるかも知れないよ?……と言いたいだけなのです。
因みにヒロインの髪の長さでロングの次に多いと思われるボブカットは、ミディアムヘアーに分類されるとのこと。ボブカットっていいですよね。大変魅力的なヘアースタイルです。でも日本語で言えば「おかっぱ」のことなんですよね……
余談ですがボブカットと言えば、かつて「らんま1/2」でヒロインの天童あかねは序盤ではロングヘアーだったのですが、作者が「野暮ったくてキャラがいまいち動かないから」みたいな理由で、バッサリと髪を切らせてしまったところ、当時読者に「よくもワカメちゃんカットにしやがったな!」と非難囂囂だった……なんてことがありました。
――閑話休題。
さて髪の長さについては以上で終わったのですが、今回はまだまだ続きます。ボブカットの話題が出たところで、次はヘアーカットについての解説に入ります。
ヘアーカットと一口に言っても、中にはパーマもありますし、そのパーマですら種類が沢山ある訳で……或いは天然パーマ、ストレートなどの髪質なんかもあったりしますし。
ボブカット、ウェーブヘア、ロングウェーブ、ソバージュ、パーマ、巻き髪(巻き毛)、縦ロール……
うーん……よく分らん。正直言って文章でウェーブだソバージュだと言われても、パッとイメージ出来る自信がありません……
因みに筆者の場合、ロングのストレートで前髪パッツンの「姫カット」が大正義と考えております(笑)
どんどんいきます。次は髪型――ヘアースタイルについて。
ここでまたしてもピクシブ百科事典から引用しますが、現実的なヘアースタイルは千差万別で数がバリエーションが多い為、フィクションのキャラによく使われていると思われるヘアースタイルを、筆者の独断と偏見でピックアップしますと……
ポニーテール、ツインテール、ツーサイドアップ、ハーフアップ、サイドテール、サイドアップ、ハーフツインテール、シニヨン、一本結び……
ざっとこれだけある訳ですけど、皆さんも女性のヘアースタイルと聞いて、パッと想像出来るのはこれくらいではないかと思われるのですが如何でしょうか?
最後にヘアーアクセサリーについて。
二次元少女の定番のヘアーアクセサリーと言えば、リボンなのは間違いでしょう。ですが折角の異世界ファンタジーで、リボンではあまりにも芸が無いと言うもの。でリボン以外のヒロインの魅力度をアップさせるヘアーアクセサリーを、ざっと挙げますと……
シュシュ、ヘアバンド(カチューシャ)、サークレット、ヘアブローチ、コサージュ、ヘッドドレス、ティアラ、羽根飾り……
などがある訳ですが……うーん、どれも殆どが基本的に少女趣味と言いますか、お嬢様向きと言いますか、現代的のような気がしないでもありませんが……取り敢えず異世界キャラがシュシュを着けていたら、違和感アリまくりかも知れません……
サクサクっとまとめに入ります。
以上のように駆け足で解説して来た訳ですが……今日の漫画・アニメにおいて、キャラの見た目で服装を除いたら、読者、視聴者の目がもっとも集まるところは髪の色と髪型だと言っても過言ではありません。
まして描き手の大半が「どのキャラもみんな顔は同じ」で、キャラの描き分けをヘアースタイルに頼っていると言っても過言ではないのですから、キャラ絵で重要なのは間違いなくヘアースタイルなのです。
そして漫画の類縁、或いは亜種とでも言うべきラノベと……それに順じた「小説家になろう」の小説においても、ヒロインの美しさや萌えを重視するならば、髪に関する描写を決して疎かにしてはいけないと思う訳ですよ。
これがプロの作家が描く商業向けラノベであれば、細かなキャラメイクは絵師さんに丸投げする、と言う方法も取れるのでしょうけども……「小説家になろう」のラノベ風の小説の場合、商業ラノベとの最大の違いは一部の例外を除けば、最初から「キャラ絵が存在しない」と言う点があります。
或いはプロアマ関係なく作者さんの中には、ヴィジュアルについては読者の想像に任せて、キャラの性格や言動の妙を重視して、キャラの外見に関する細かな描写を敢えてしない、と言うスタンスの作者さんもおられるかも知れませんが、こちらはあくまで例外ですし……
パッと見ただけでイメージの補完が出来てしまえる商業ラノベと違い、なろうの小説にキャラ絵が無い分、読者を惹きつけるだけのキャラの見た目に対する表現に関して、ある意味商業ラノベ以上に作者に求めらるのではないでしょうか?
だからと言って登場する全キャラ、一人一人に対して細かな描写が必要なのかと言えば、それは違います。毎度新キャラが登場する度にそれをやってしまうと説明文が冗長になってしまいかねず、そのせいでテンポが悪くなって、ストーリー進行の妨げにもなりかねませんから。
あくまで重要なのはメインヒロインと、レギュラークラスのみ。サブ以下のキャラに関してはそこまで描写する必要はない……と思います。
とまあ、そんな訳で……今回挙げたような「パーツの特徴」と言うものを、ちょっと意識して盛り込むだけで、ヒロインの魅力がワンランクアップして描写出来るハズ。作者の皆さんにも、この辺りのことを留意した上で、ヒロインを描いて貰えれば幸いと考える次第です。
【おわり】




