神のルール
神のルール
産まれてきた奴等は 全て神に選ばれた
「何処かしら冴えた部分があるだろう」と適当に
産まれて来る時 幾つか神に問われた
「産まれた分、最後の最後に何を知りたい?」
そして僕等は死を選んだ
別に嬉しくはない
貰った命の分 苦労はそれを越えるだろう
でも 気付いていた
知った苦労の分 幸せの価値は増す事
何が怖くて 孤独を愛する? 何が怖くて 光を遮る?
神は更に決まりを定めた 「寂しい」という感情を
一人でなんか生きないように
生きている奴等を いつも神は眺めている
何か外れた事をしたら 一層の事 殺す気で
産まれて来る時 幾つか神に問われた
「疲れるから、心臓の期限を決めようか?」
そして僕等は「はい」と答えた
特に期待はしてない
命を削った分 優しくはされないだろう
でも 分かっていた
代償がなくても 優しさは貰えるって事
何が不安で 死を嫌がる? 何が不安で 無くして泣く?
神はまた決まりを増やした 「愛しい」という感情を
他人を必要とする為に
誰が作ったルールだろうと
守れる奴は一人もいなかった
産まれたから 神を知ったよ
選ばれた理由は死ぬ必要があったから
生きたから 闇を知ったよ
真っ白に澄んで 何処までも見えない闇
誰一人として 一人では生きられなかった
そのルールだけは 確かに守った
何が怖くて 孤独を愛する? 何が不安で 無くして泣く?
神は最後の決まりを作った 「さようなら」という言葉を
最後は一人になれるように……
2作目。人は誰かが居ないと死んでしまう性質を持っているようです。