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Red Blue~灼碧の瞳~  作者: 麦畑葉月
始まりの刻-。
4/13

第一部 第四話 逃亡へ―。①

これからの展開も含めて 読んだ方は気づくかもしれませんが。

最初らへんはモブキャラばっかです。

ご了承を・・・。

それと、逃亡へ―。はもうちょっと書きたかったんですが、時間の都合上①・②って感じに分ける事に・・・。ご了承ください・・・。

 大和村の境界線の範囲にギリギリ入っているとある町が、村の山向こうに存在していた、その町の名前は、『醤油町』というふざけている事甚だしい名前である。この町の前の名前は、『石川町』という普通極まりないところであったので、何がどうなってこういうネーミングの町が生まれてしまったのか。村の人間達の噂になっている。だいたい30年ほど前から。それほどにふざけた名前の町である。

 この町にはある特色がある。それは、この町には学力水準が無駄に低い人間しか住んでいないところにある。それはもちろん、勉強出来なくて運動が出来るとか、それ以外の才能があるという人間はいるのだろうが、それさえもない人間がここには集まっていた。

 そして総じて、そういう人間は全員、不良になっていた。もちろん、大和村にもそういう人種はいるのだが、この町では『なんちゃって不良』しかいないのだった。頭が悪すぎて『なんちゃって不良』な俺カッコイイ!!!と思ってしまっている残念な人間しかいないのであった。

 実は、村人達の噂の的になっている『醤油町』という冗談極まりない名前も、画数が多いからという訳のわからない理由から来ていた。そして、この町の住民は全員、背中に『醤油国民』というふざけた彫り物をしなければいけなかった。それが故の『醤油』であった。ただ残念なのは、『油』は別に画数が全くもって多くないという点であろうか。どうせなら、『薔薇』にでもしとけばよかったのであろうが。

 そんな訳で、そういう人間しかこの町では存在していないので、困った事に、法律のほうも少々(かなり)めちゃくちゃになっていた。そのせいで、パチンコは未成年でも出来るし、お酒飲み放題、タバコも吸い放題、麻薬も摂取し放題の混沌とした町になっていた。町中が寂れていた。

 その町のパチンコ店でパチンコを打っている一人の少年がいた。司と同級生の五十嵐卓巳であった。卓巳は、舌打ちを繰り返しながら、パチンコを回していた。現在は、フィーバー中でパチンコ好きなら、テンションがすごいことになっている状況であるが、彼はどうしてかいらついていたのだった。

 それは、自分に対して向けられる視線のせいであった。大和村の村人たちは、彼が悪人であると信じており、いい行いをすることを良しとしていないのだった。だから、その期待に卓巳は答えてしまい、村人たちの求める通りの不良になっていった。小さい頃は、その事に何の違和感も感じていなかったが、大きくなっていくにつれて、その状況に嫌悪感を感じ始めていた。そして、とどめに最近の噂である。つい最近、村中の神社仏閣や仏像などが壊れてしまった事のせいであった。それを村人たちは、彼のせいにしたのである。彼は、激しい怒りだけしか感じなかった。そして、この村の異質さに気付いたのだった。そして、最悪な環境であるにも関わらず、村よりもマシとばかりに、『醤油町』に逃げてきたのだった。ここに一旦逃げてしまえば、

 「たく、あの五十嵐の所の馬鹿息子は・・・」

 「あの五十嵐の所の馬鹿はまた悪さを・・・」

などと言うような、村人たちのひどい当てこすりのような陰口を聞かずにすむのだから・・・。

 そして、まだフィーバーしていたが、やはり卓巳の怒りは収まらなかった。そして、しまいには愚痴を吐き出していた。

「ちっ、あの村の糞ばぁ共が!俺は何もしてねぇのに!地蔵何か壊してねぇのによ!ふざけんな!だいたい、あの村は敷地が広い。しかも、あんなもん壊して何があるんだって言うんだよ!!!あんなんを一日で!?はっ!!!無理にきまってる。車を持ってても無理だよ!!!」

 卓巳はパチンコを睨みつけながら、村への文句をたれた。そして、何かを思い出したのかひらめいたかのように文句を続けた。

「そうだ!!!それに、俺は見たんだっ。夏野の家のやつらが地蔵をぶっ壊してたのを見たんだっ!俺がやったわけないんだ!でも、あの夏野の家のやつらが?あいつらは、そんな事するたまじゃねぇはずだ。誰かが、脅したか何かしたんだろうか?それがいったい誰なのか、聞き出してやる・・・っ」

 これはもはや文句でなく、推論とかになっていたが、彼は意気揚々と一人で勝手に宣言すると、パチンコを放って村へ行こうとしたが、その時、彼の背後からテノールのような美しい男の声が聞こえた。

「おやおやそれは困る。君とは少しお話しないといけないな。五十嵐卓巳君?」

 卓巳は、その声に驚き思い切り後ろへ振り返った。その振り返り方はあまりにも早く、残像が見えるほどに早かった。そして、卓巳はその声の人物を見た。男であるのは、声からして分かっていたが、その人物はとてつもなくガタイが良い男であった。ガッシリとした体つきをしていた。そして、その体つきに似合うような風貌をしていたが、男から見てもわかるほどその顔つきは精悍な顔つきをしていて、誰もがイケメンというような顔であった。しかし、彼には・・・。

「誰だっ!お前は!ん、待てよ・・?お前、目が・・・っ。なぜないんだ・・・!?」

 卓巳は男の風貌を見て驚いた。彼には、その言葉の通り、目がなかったのだから。しかし、卓巳がそう言った途端に、男はケタケタと君の悪い感じで笑いながら、目を閉じてしまった。そして、愉快そうに言った。

「実に困るなあ・・・。夏野さんのお宅がやったのを見た人がいたとはなぁ?あ、そうだ。申し送れました。黒樹と言います。そして?あなたは本当に見たのですか?その現場を・・・。」

 黒樹と名乗る男は、念をおすようにそう尋ねると、卓巳は何を思ったのか、彼に不信感を感じていたのにも関わらず、その瞬間、黒樹に対して何の不信感が体から吹き飛ばされ、正直に答えてしまった。

「そうだが・・。それが、何だ?あんたに、関係があんのか?」

 その卓巳の答えに、黒樹は困ったかのように顔をゆがませた。

「それは、大変な事になりました。“彼ら”以外に見ていた人間がいたとは・・。まぁ、丁度良い事にあなたは地蔵を壊したと疑われてるようだ。あなたには、しんでもらうしかないですね。っていう訳で、「「遺書を書け」」

 その黒樹の声は、先ほどまでただテノールのような声であったのか、聞くだけで恐怖を感じさせるほどに底冷えのする恐ろしい声であった。

 卓巳は、最初は何を言っているんだと感じたが、突然、その声は再び頭の中でこだまし、遺書を書かなければ行けないと感じてしまった。卓巳は目の色を変えて、受付のある方へ行った。そして、受付の女性に手を出した。

「おい、紙とペンくれ。」

 卓巳がそう言うと、受付の女性は柔らかな笑みで分かりましたと云うと、受付のカウンターの中から、紙とペンを卓巳に渡した。

「これでよろしいでしょうか?五十嵐卓巳様?」

卓巳はうなづくと、再び黒樹のところに戻った。そして、遺書を書き始めた。その時、ふとどうして受付の女性が、自分の名前を知っているのか不思議に感じたが、彼は遺書を書かなければいけないという気持ちでいっぱいで、その考えも一瞬で吹き飛んでしまった。

 遺書をすべて書き終えると、その途端に、スゥっと意識は闇の中へと引き込まれていった。そして、何かが彼を暗闇へと引きずって行ったのだった。


そして、翌日―。彼の遺体と遺書が、村のとある唯一壊れていない寺の前で見つかったのだった。

さて、今回は モブキャラっぽいのしか出ませんでしたが、ご了承ください;;

次回は、ちゃんと主人公出てきます!!!


って訳で 遅くなりましたが、久しぶりの更新でした。

次回の更新は、出来たら明日か水曜日になると思われます!

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