3 武器について&ちなみに編1
どうぞ。
「カード」
武器店では「デッキ」という形で購入できる、武器にして消耗品。投げつけることで切断属性のダメージを与えたり、モンスターを封印したり、コスト代わりに消費したりできる。投げて使える白いカードと、モンスターを封印できる黒いカード、白から変更したカラーカードがある。一枚単位ではひどく破損しやすく、消耗がおそろしく激しい。
元ネタはカード投げ・TCG・手段という意味での「カード」など多岐にわたる。
「ステッキ」
小さな杖。大きな杖「スタッフ」と比べると、物理攻撃力はとても低い。その代わり、支援・回復に補正が入る品が多く、本体の生存補助に役立つものも多い。スタッフが杖術などに使えるのに対し、こちらには打撃技がない。
元ネタは魔法少女のステッキ。奇跡は起こせない。
「ハット」
帽子。内側に仕込んだものを取り出したり、ゲートを開いての吸収・召喚を行うことができたりと多芸。直接攻撃を行うことはできない。間接的コストが非常に多いため、きちんと運用しようとすると大損しがち。
元ネタは手品の出現・消失マジック。
「時計」
小さな懐中時計。敵や味方の速度に関する法則を操り、命数を定める。バフ・デバフ専用であり、ほとんど攻撃手段を持たない。すさまじく強力なバフ・デバフを多数操るが、デバフは敵の時間耐性に応じて効果量が変動するため、メインで使うのは危険。
元ネタは「世界標準時」、あるいは時間がすべてを規定するという考え。
「飾剣」
踊り子や大道芸人の使う、刃のついていない剣。敵に幻影を見せて恐怖を呼び覚ましたり、いくつも増えて真実から目を逸らさせたりする。壊れやすいため、剣技に使うとすぐに折れてしまう。
元ネタはベリーダンスで使うソード(シミターとも)。剣舞に使うものではない。「飾剣」は私の造語なので、この作品以外では通用しない。
「ボール」
直径二十センチほどのボール。物理的にぶつけて攻撃する、自動的に跳ね続けることで魔法陣を描くなど、多彩な能力を持つ。扱うためにはかなり広いスペースが必要で、仲間と戦うときに出すには邪魔という声も多い。
元ネタは新体操(ゆか運動)で使うボール、あるいはフィクションで道化師が使いがちな玉乗りのボール。新体操でボールに乗る演技はない。
本作は、新体操の選手だった過去のある主人公を中心に据えた物語であり、彼女が使用する武器も道化師・奇術師・新体操を元ネタにしている。しかしながら、採用するかしないかの判断基準で迷ったすえ「これは活かせない」としてボツにしたものがある。今回は「ちなみに編」として、いろいろと触れていく。
・リボン
三十センチほどの棒に、二メートルほどのリボンをつけたもの。くるくると回したり、投げ上げてキャッチしたりと、一般に「新体操」というと想像しがちなアイテム。……なのだが、前に書いた『低レアさん』で描いた「帯刃」という武器がとてもこれに似ていて、前にやったネタということでやらない判断をした。そこに加え、ムチと役割がかぶっていると考えたため、ボツになった。
・クラブ
三十センチ程度の棒にスポンジを取り付けた二本の棒で、合体して一本にすることもできる。基本的にバトントワリングあたりと同じ動きになるため、絶妙に映えない……と思っていたら飾剣・ステッキと役割がかぶり、ボツになった。合体・分離やくるくると回す動きは、基本なのだろうが簡単には見えない「体全体と指先が別々に動く」を見るにふさわしい。
・フープ
フラフープ。大きさ的にすごく取り回しづらく、普段使いの持ち運びが難しい。動きをいろいろと調べても読んで面白いものにはならないと判断。それに加え、鎖・ハットと役割がかぶり、こちらもボツになった。回転をつけて転がすあたりは見ていて非常に楽しい。
・ボール
唯一「やったら面白いかな?」で好き放題に使わせてもらっている。直径二十数センチほどのボールで、タイヤのように使ったり投げ上げて落ちるまでに演技を続けたり、腕や肩を伝わせたりと、人間のイマジネーションの幅広さを感じられる。首から転がして背中を伝うあいだに前方に回転、後ろに曲がった背で止めて手が自由になった瞬間つかみ取って投げ上げる……といった演技には感動さえ覚えた。
そのうち増えたら特技編も入れなきゃ……