26 「NameLLL」の真実について
※すべて作中における事実ですが、本編とは関係ありません。
「NameLLL」
大手バーチャルタレント事務所のひとつ。「夜にきちんと寝られない女性」をおもに採用し、夜間の配信に力を入れている。当然ではあるが、所属タレントがよく眠れるようにとさまざまな安眠グッズ・安眠法を調査してはコラボを取り付け、生活リズムを取り戻して卒業するタレントもいる。配信中に寝落ちする視聴者も多く「夢の中で見た」「ガチ恋距離まで接近した」「ファンサが良すぎる」などなど存在しない記憶を語るものも多い。
という表の顔とは違い、実態はブルームアイ(昂変虹彩)の女性をスカウトし、半存在現象的生物「フィノミナ」に対処するために結成された組織であり、よく知られたワードでいうと魔法少女の集団である。視聴者の語る存在しない記憶は、かれらの巻き込まれたフィノミナ関連事件と焼失情報にまつわるもので、都市伝説程度に浮かんでは消えていく。「夢の中でも思い出してね!」というフレーズは、呼べば来てくれるコールサインの暗示。
本編とはあまり関係ない。
「ブルームアイ(昂変虹彩)」
特定の思考パターンと結びついて、黒目部分の色が大きく変わる現象。鳶色から水色など、とても想像できないような変化を遂げる。おおまかに言うとカメレオンが色を変える仕組みと同じで、感情の振れ幅で色素細胞の大きさが何倍も変化するため、肉眼で観測できる色がまったく変わったように見えるものである。
というのは世間一般で知られる範囲で、実際にはフィノミナが思考領域を侵食し始めた兆候が表に出たもの。体組織や使用端末にフィノミナが紛れ込んでいることはもはや珍しくもないことだが、脳や意識に侵入するとこの症状が現れ、視力や無意識のふるまい、人格や夢などに変化が出始める。漂流・徘徊するものはそれほどの力を持たないが、人間に侵入してブルームアイを引き起こすほど凶悪化したフィノミナは、基本的には討伐対象となる。
本編とはいっさい関係ない。
「フィノミナ」
バーチャルタレント事務所「NameLLL」のプロモーション漫画『キラくるドリーム☆すてらちゃん!』に登場する怪物。意識や情報の中に現れる半存在現象的生物のこと。多量の情報とそれに結びついた物体から実体化し、超常の力・強固かつ高い再生能力を誇る肉体・万全のバックアップ体制を持つ対処不能の怪物となることを目的とする。起きている意識や現実にはほとんど干渉できないが、眠っているあいだや夢幻のたぐいには強く影響を与える。
上記の設定はすべて事実だが、『キラ☆すて』と違う点もあり、「フィノミナを宿した少女=フェスト・イヴはすでに手遅れ」「フィノミナは組織として行動している」「すてらちゃんは最終決戦に勝って帰ってきた」などは完全にウソ。事実上、「NameLLL」所属かつブルームアイの女性=フェスト・イヴであり、彼女らは『キラ☆すて』の設定と同じく世界の平和のため夜を徹して戦っている、ということになる。
本編とはいっさい関係ない(二度目)。
「フェスト・イヴ」
フィノミナが脳や意識の中に侵入し、ブルームアイを引き起こしたうえで意識の乗っ取りや実体化を遂げられなかった状態。本体の女性は「人の意識・電子情報の改変力」「特定の思考パターンに反応して色が変わる目」「フィノミナを殺傷する力」などなどを手に入れる。要するに魔法少女のようなもので、体内に怪物を宿している点はほかのヒーローに近い。フィノミナへの抵抗力を持つものは幼年~青年期の女性に限られ、それ以外が感染するとほぼ確実に意識・肉体を完全改変されてしまう。
『キラ☆すて』ではほぼ闇堕ちとイコールで扱われているが、人間サイドのパワーソースはすべてフィノミナとの共生なので、フェスト・イヴは魔法少女、侵食が進んで意識が乗っ取られた状態はフィノミナそのものとして扱われる。フィノミナ化した人間とフェスト・イヴの区別をつける方法として「本人の記憶にないものが自室にある」「めったに目の色が変わらない」「特定の物品・人物・事象に強いこだわりを見せる」「急に言動が大きく変わる」などが挙げられている……のだが、プロ曰く「それで百パーセント見分けられたら苦労しない」とのこと。
本編にはフィノミナ化した(フェスト・イヴによる救出が間に合わず、意識・肉体の改変が終わった)人間が複数人登場しているが、物語とはとくに関係ない。
「夢の中でも思い出してね! そして叫んで! ”すてらちゃん”って!!」
(抄束社刊『キラくるドリーム☆すてらちゃん!』1巻(ちあふるCOMICS・遠野すすき’41年4月2日)31Pより抜粋)
『もう、お絵描き配信……できない、ね。ペンタブ、新しく買ったのにさー……。すすきちゃんに、言っといて。ふー……イラストだけでいいから、私たちのこと……絵に残しといて、って』
(’38年、ある端末に録音された音声より)




