表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この男性がいつか私の事を好きになまで、、、。

作者: 七瀬





”この男性がいつか私の事を好きになるまで、、、。”




私は10年ずっと好きな男性ひとが居る。

ただ彼から見た私は、”ただの友達だ!”

ずっと友達関係を続ける事を、私自身がどこかで拒んでいた。

”いつか、どこかで、彼と恋愛感情を持ちたいと望んでいたのだ!”



『ねえ、侑汰? 今度の土曜日空いてる?』

『ごめん、予定があるんだ。』

『・・・そ、そうなんだ、分かった。』

『ごめんな、また誘って!』

『・・・ううん。』




最近、彼を誘ってもよく断られるようになった。

まさかだけど? ”好きな子とかできたのかな?”

凄く私は不安になっていた。


・・・だから? 私は彼が予定を入れていた土曜日の日に、

彼の後を着けることにしたの!

こういうのは、”彼を疑うようで本当は嫌なんだけど? 

この不安な気持ちを完全に晴らしたい!”

彼をそんな目で見たくないから。

それならはっきりさせるためにも、私は彼を尾行する事にしたの!


勿論! ”私自身、デメリットもある!”

彼に彼女がいるとか? 現実を突きつけられるかもしれないと言う

デメリット。

それでも彼の隠してる事を知りたい!

それが私の知りたかった事じゃなくても、、、。



【ガチャ】


『・・・彼は何処に行くのだろう?』






・・・私は彼の後をこっそり着けて行った。

彼は家から近い最寄りの駅に行き電車に乗った。

私は彼が乗る車両を避けて別の車両に乗り彼を見失わないように見つめていた!

電車は3つ目の駅で彼は降り、私も同時に降りる。

そして駅を降りて直ぐの大きな病院に彼は入って行った。

私も彼の後を追って着いて行く。

病院に入ると? 彼は迷わず病室に入って行った。

私は病室の前に立ち名前を見ると?

”彼の母親の名前が書かれていた。”

まさか? 彼のお母さんが病気だったなんて、、、!

私は彼が病室を出て行った後、ゆっくり病室に一人で入って行く。

私は彼のお母さんとは10年前から仲が良い!

彼のお母さんは凄く優しい女性で、私の憧れの女性でもあったからだ!

そんな彼のお母さんが、入院してたなんて、、、!

”なんの病気なのだろう?”



【ドンドン】


『はい!』

『”おばさん、お久しぶりです!”』

『えぇ!? 成穂ちゃん? どうしてココに、あの子に聞いたの?』

『ごめんなさい、侑汰の行動が最近おかしいと思ってて、侑汰の後を

着けたらココの病院に着いて、、、。』

『・・・あらそう、あの子には誰にもワタシの病気の事を言わないで

ほしいと強く言ってたから、約束はちゃんと守ってくれてたみたいね。』

『”おばさんの病気って?”』

『”癌よ、末期癌! もう治らないんだって、そうお医者さんが言ってたわ。”』

『・・・そ、そんな、』

『泣かないで成穂ちゃん! ワタシに何かあったら、あの子の事、成穂ちゃんに

頼んでいいかしら?』

『えぇ!?』

『ああ見えて、あの子は弱いところもあるから、誰かがあの子の傍に居て

あげてほしいの! 成穂ちゃんなら安心だわ。』

『・・・お、おばさん、』

『また会える?』

『勿論です!』

『じゃあ、またお見舞いに来て!』

『はい。』

『”あの子には内緒でね!”』

『はい! 分かりました。』

『じゃあ、もうワタシは疲れたから寝るわ、またね!』

『・・・また!』







・・・こうやって私は彼にも内緒で、彼のお母さんのお見舞いに

一人で行く事になったのだけど?

私が彼のお母さんのお見舞いに行った5回目で、彼のお母さんは

亡くなってしまった。

彼は彼のお母さんが亡くなった事を私にも秘密にしていたの。

だからお葬式に出る事も出来なかった。

だけど? 私はどうしても彼の家に行って彼のお母さんの遺影に

向かって手を合わせたかった。

だから彼の家に彼に何も言わず行くと?

彼はビックリした顔で私を見たわ!



『・・・ど、どうしたんだよ、急に、何かあったのか?』

『”お母さん! 亡くなったんでしょ、せめてお母さんの遺影に向かって

手を合わせるぐらいさせてもらいたいと思ったの!”』

『”・・・し、知ってたのか?”』

『ごめんなさい、侑汰の後を着けたの。』

『・・・そ、そっか、それなら葬式に成穂を呼べば良かったな、

母さん、成穂の事! 本当の娘のように想ってたみたいだし!』

『いいのよ、お母さんが侑汰に誰にも言わないように強く言ってたんでしょ!』

『・・・母さんと話してたのか?』

『えぇ!』

『そっか、』

『今日はずっと傍に居るわ。』

『・・・あぁ!』







 *





この日、彼は私の前でずっと泣いていた。

私は彼に寄り添い彼を支えたわ!

彼のお母さんが言っていた、彼の弱い部分が私にも分かった気がする。



・・・でもこれがキッカケで、私と彼は付き合う事になったの

そして結婚までしたわ。

これもそれも、”彼のお母さんのおかげね!”

今では彼は私の事を凄く好きになってくれたわ。

自分の弱い部分を私に見せた事で、私に対して安心感を持ったらしいのよ。


この男性がいつか私の事を好きになまで、、、。



随分と遠回りもしたけど? 私達は一つになれた!

これからはずっと離れないわ!

私はいつも彼の傍に居ると誓ったから、安心してね義理のお母さん!


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ