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俺が通う高校は人外魔境だった  作者: はるゆめ


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25/72

ep.25 その日が来るまで

 昭和のいつか。どこかの街。季節は秋。  


「機動隊の人たち、自衛隊と訓練してる」

「こらこら瑛子くん、覗き見はほどほどに」

「……うん」


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 瑛子の作り出した謎家で暮らして一週間になる。

 ラジカセはあるが、テレビは無い。見たい。

 ご飯は美味い。オオタのラーメンが食べたい。


 贅沢言ってるのはわかる。でも変化がほしい。


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 鈴木瑠美子の実家に関する捜査結果。

 捜査員が訪ねた時点で両親は忽然と姿を消していた。

 同じ町内にもそれを知る者無し。


本棚には英語、フランス語、ドイツ語の医学書や化学書が多数。


 机の中からカルテが見つかる。

 鈴木瑠美子は生まれながらに持病ーー国内にも症例がほぼない難病で治療法は見つかってないーーを抱えていて、二十歳まで生きられないだろうととは医師の所見。


 田中、山本、八重島の実家も同様。


 これはあの童女からの中継映像で知った。


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 公安の人から決行日を知らされた。

 地上と地下は繋げたとのこと。

 どうやったのかは教えてもらえなかった。

 覗き見はバレる気がするのでやめとく。


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 各国からの助っ人吸血鬼さん達が来日。

 機動隊と一緒に地下校舎へ行くとのこと。

 ちなみにアンネさんパパも凄腕の兵士らしく、同行メンバーにいるそうだ。


 ちなみに俺は地上の現地本部で待機。

 護衛に機動隊員、佐藤優子、アンネさん、飯田奈美、黒瀬瑛子。


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 下見として地下校舎へ四名の機動隊員が潜入。

 校舎は三階部分を残して消えていて、巨大な洞穴と化していた。


 警察犬が二頭行方不明になる。詳細は教えてもらえなかった。


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 やたらと重いベストを試着。防弾ベストではなく防刃ベストだと教えられる。念の為に当日は着用とのこと。

 瑛子は『もう!私がいるから必要ないのに』と不機嫌になる。


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 各国の地下へ沈んだ建物にそれぞれ警察や軍が調査に入ったらしい。


 それらは全て建物の一部を残して洞穴と化していて、何もいなかったそうだ。どこへ続いているのかカメラを積んだ無人探査機を送り込んだ国もあったらしいが、途中で通信が途絶えたとのこと。アンネさんが色々教えてくれる。


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 あの日以来、飯田と瑛子の俺に対する距離が近い。近すぎる。

 それを見て佐藤優子がわけ知り顔で俺を見て口元を押さえて笑いを堪えている。

 アンネさんはニコニコして俺の脇腹を肘で突く。やめてほしい。


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 辛うじて残っていたナチスドイツに関する資料で、鈴木瑠美子の前身と思われる女性研究者が特定された。


 幾つかあった生体化学の研究施設。その一つにて所長をしていたのは判明したが、研究内容は不明。ドイツが敗北する半年前に閉鎖され、爆破処理で瓦礫と化した。


アンネさんのお姉さんがどう関係していたのかも分からずじまい。


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 久しぶりに酒巻と加藤弥生に会う。

 警護の人に許可もらって、自宅の前で立ち話。

 二人とも俺のことかなり心配してくれてた。

 俺は病欠扱いだから。


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 飯田は毎日学校の配布物を持ってきてくれる。

 瑛子の飯田に対する態度が軟化してきた。


 佐藤優子はアンネさんと時々来る。

 アンネさんにお父さんのことを訊く。


「昔はね、一人で数千の兵を相手に戦い、勝ったらしいよ」

 怖い。

 歴史の中で大活躍してるじゃないか。

その功績で貴族の地位を貰って今に至るらしい。

アンネさんは、世が世なら貴族令嬢なわけだ。

中身は大阪のおばちゃんみたいだけど。


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 あと一週間。緊張してきた。

 

 こんな時隣にいてくれる彼女が欲しい。

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