第八話 メリークリスマス
ちょっと今、また短編が挫折しそうな今日このごろです。
読んでいただきありがとうございます。
ジリリリリ。ジリリリリ。
「もう、朝か・・・」
なんも変わらない普通の休日。
しかし世間とカップルでは特別な一日。
飲食店などでは年に数回の稼ぎ時。カップルではきっと特別な夜になることだろう。
今日は十二月二十五日。クリスマス。
まぁ社会人で、一人暮らしで、独身の俺には関係のない普通の休日だが。
そんなことを朝起きて考えていた俺だが。
リビングに行くと夢を見た。
「メリークリスマス!賢兎!」
「ああ。メリークリスマス。咲・・・・・!?」
きっとこれは夢なのだ。
幼馴染がクリスマスの朝に少しだけ露出の多いサンタコスを着て「メリークリスマス」を言ってくれるなんて、なんかの悪い夢に違いない。
なんだかさっきから鼻血も止まらないし。
ああ―――それでも。
「ん?賢兎?」
「俺、今日死ぬのか」
「何言ってるの!?」
「クリスマス万歳!」
俺の意識はそこで途絶えた。出血多量で。
◇◇◇
「・・・ん」
「あっ起きた」
目覚めるとそこには咲の顔が見えた。
ああ俺。気絶したんだっけ?幼馴染の格好で。
はっっっっっっっっっっっっっっっず!
ヤバい。もうこれは終わったな。
確実に写真に撮られただろうな。俺の鼻血姿。
しかしここで俺は気づいた。
なんで咲の顔が真上にあるんだ?
しかしそんなことの正解は一つしかないわけで。
「ねぇ賢兎。その・・・起きたならどいてくれない・・・?」
「わっ、悪い!」
俺は自分の状況に気がついて飛び起きた。
どうやら俺は咲に膝枕されていたようだ。
なんだか妙な安心感があったな。
そう思っていると今の咲の格好に目が行った。
上は灰色のセーターに、下は・・・・・
「いやっそのままなんかい!」
そのままの格好だった。あの、俺を気絶までもっていったけしからんものだった。
ん?ていうことは気絶したふりをしていたほうが良かったんじゃないか?
「あっっれぇぇえ?賢兎くんはぁ何に期待しているのかなぁあ?」
「クソっ!しまった!」
咲の格好に目が行き過ぎて完全に油断した。
あれもこれも咲が可愛いのが悪いじゃないか!
目がいってしまうのは男の性なんだよ。
しかしそう考えている今も咲きのニヤニヤは止まらない。
何か。何か打開策は・・・あった!
「なぁ咲。もう一回見せてくれよ。朝の服」
あの咲でもショッピングモールでは乙女心はあったんだ。
こうやって強気にいけば照れて逃げるはず・・・
「ん?いいよ」
バッ
ワオ!
そうだった。あいつは男の俺の部屋でも平気で下着姿で歩くようなやつだった。今更、こんなことで恥じらうやつじゃない!
しかしだ。今日は最高のクリスマスだぜ!
その後、約二時間は咲のことを直視できなかった賢兎であった。
◇◇◇
咲にけしからんサンタコスを着替えさせ、落ち着いた昼頃。
俺は聞いた。最も重要なことを。
「咲。どこからあのサンタコスを持ってきたんだ?」
「持ってきたんじゃないよ。もらったの」
「ほう。誰か聞いても?」
「会社の同期から」
少しだけ感謝をした賢兎だった。
べっ、別にもう一回見たいとか思っていないヨ?
ホントダヨ?
短編のほうが挫折しそうですが、また物語を思いつきました!
ズバリ。バンドだ!
ちなみに作者は膝枕のシチュエーションが大好きです。萌えって感じがしますよね?
今後の参考とモチベーションのためにも評価とブクマの方お願いします。
それではまた。次のお話で。