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第七話 誕生日デート③

すみません。部活が忙しくて投稿が遅れました。

読んでいただきありがとうございます。


 「なぁ咲」


 「・・・・・」


 「咲さん?」


 「・・・・・」


 「これ、あげるよ?」


 「・・・・(チラ)」

 


 あっプリンには反応した。


 俺の部屋で拗ねる咲に話しかけ続ける俺の図。


 まるでそれは喧嘩してる時の熟年夫婦だった。


 時刻は今、午後八時。


 ショッピングモールから帰ってきてもう六時間は経過している。


 結局あの後、咲が不機嫌になった理由はわからなかった。


 だって無視されるんだもん。


 フードコートから俺と咲の間には一切の会話がない。


 俺はずっと話しかけてるんだけどな・・・


 しかし、こんな状況で自分にも非があると考えられるのがこの俺だ。


 俺は思い出す。決定的に咲が不機嫌になった時の記憶を。



 『え?帰らないのか?』


 『は?』



 ここの場面だな。


 「帰る」という言葉に咲はきっと怒ったに違いない。


 これは間違いない。


 咲との付き合いが二十年以上の俺が断言する。


 だけど考えれば考える程わからない。


 なんで咲は怒ったんだ?


 やっぱり聞くしかない・・・か。


 俺はソファに座る咲の正面に座った。


 そして目を合わせる。



 「なぁ咲。なんで怒っているんだ?考えても考えてもわからないんだ。今、教えてくれないか?」


 「・・・・本当にわからないの?」



 ようやく咲が喋り始めた。


 どうやら俺の真剣な気持ちが伝わったようだった。



 「ああ。本当にすまない。教えてくれないか?」


 「わかった・・・今日は私の誕生日じゃないの?」


 「・・・・なんだ。そんなことかっ!」


 「そんなことってどういう意味?」



 心なしかまた咲の機嫌が悪くなったような気がする。


 咲のやつなんか誤解をしていないか?


 俺は事態がややこしくなる前に自室へと向かう。


 そして、ベッドの下に置いてあった一つの紙袋を取り出して咲のいるリビングへと戻った。


 俺の持っている紙袋を見た咲の顔は驚きを隠せていなかった。



 「えっ?賢兎それは・・・」


 「ん。お前の誕生日プレゼント」


 「どうして?忘れてたんじゃないの?」


 「お前なぁ。何年俺が咲の幼馴染してると思ってるんだよ?二十年だぞ。二十年。嫌でも忘れることなんてできない」



 そう。今日、咲がおかしかった理由は今日が咲の誕生日だったからだ。


 そして機嫌が悪くなった理由は俺が誕生日を忘れているんじゃないかと思ったからだろう。


 まったく。そんなこと天地がひっくり返ってもありえないのに。



 「第一、お前俺の携帯のパスワード言ってみろ」


 「え?1201だよね・・・あっ!」


 「だろ?忘れるわけがないじゃないか」



 なんで知ってるんだよ!まぁ俺も咲のパスワード知ってるから言えないけど・・・



 咲の顔が微笑みに変わっていく。


 そして俺の顔と紙袋を交互に見ると満面の笑顔で俺に抱きついてきた。



 「賢兎!ありがとう!」


 「おっふ」



 苦しい!苦しい〜!咲さん力。力抑えて!


 ひとしきり俺を抱きしめた咲は紙袋を俺から取ると中身を開けた。


 出てきたのは、一つの髪飾り。


 俺が一日かけて見繕ったとても綺麗な花の髪飾り。


 咲の黒髪にはきっと純白がよく似合う。


 咲はすぐに髪飾りをつけて俺の方を見る。



 「どう?似合ってるでしょ」


 「ああ。とても似合ってる。誕生日おめでとう。咲」


 「うん。ありがとう。賢兎」



 本当にあげた髪飾りがとても似合う笑顔だった。



 ん?今日のあれって誕生日デートなのでは?


 そんなことが頭をよぎる賢兎であった。






 

 

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