第九話 波乱の年末年始①
すみません。久しぶりの投稿です。
読んでくださりありがとうございます。
「久しぶりの我が家か」
俺は流れていく景色を見ながらそう呟いた。
今日は十二月三十日。
俺は今、新幹線に乗って実家へと帰省している。
それにしても、あのクソブラック企業。仕事納めが二十九日って舐めてんのか?
咲が朝から笑いながら「じゃあ頑張ってね〜。ぷぷっ」って言ったのすげえ腹がたったんだからな。
仕事納めが二十八日だった奴らを俺は一生恨んでやる!
そうこう考えていると携帯の通知音が鳴った。
「ん?誰からだ・・・げっ」
通知は妹の琴葉からだった。
内容は「いつ頃着く?向かいに行くよ♡」だった。もうこの文面で俺が嫌がった理由がわかっただろ?
琴葉は重度のブラコンだ。
まったく。高校生になってまでお兄ちゃん子だったらシャレにならないぞ。
俺は駅に着いたらどんな反応で迎えられるかを想像して少し憂鬱になった。
◇◇◇
新幹線から普通の電車に乗り換え、景色が建物よりも少し自然が多くなってきたなと思い始めた頃。
地元の駅に着いてしまった。
俺は電車から降りようとドアに近づき、戦慄した。
そこには笑いながら立つ妹の姿があった。
え?こわいコワイ怖い恐いっ!なんで俺が出てくるドアがわかるの?車両いっぱいあるじゃん。
そしてドアが開く。
やっ!やめろぉぉぉおおぉぉおおおぉぉお!
「お兄ぃいいいぃぃいちゃぁぁあああぁああんんんんん!」
「来るなぁあ!」
ドアが開いた瞬間に抱きついてくる琴葉に押し倒される俺。
どかそうとしても力が強くてどかせない。
クソっ。どうして俺のまわりの女はこんなに力が強くて凶暴なんだ!
「どけっ|琴葉!」
「嫌です!お兄ちゃん!もう離しませんよ?」
だからほら。他の人も見てるし恥ずかしいんだよっ!
そんなことを思いながら琴葉の顔を見ると、血走った目をしていた。
もう俺の妹は手遅れかもしれない。
それはそうと早くどかせないとドアが閉まってしまう。
こうなったら最終手段を使うしか・・・
俺は琴葉の頭に手を伸ばす。
俺の胸板に顔を擦り付けている琴葉は気づいていない。
俺は頭を撫でた。できるだけ優しく。できるだけ精一杯の愛情を込めて。
頭を撫でられた琴葉は一度動きが止まった。
そして、身体が痙攣したようにビクビクとまた動き出す。
「あっああぁ!ほっほへえええぇえええええぇええええええぇええ」
俺は思った。
もう妹はダメかもしれないと。
◇◇◇
なんとか電車から出れた俺は、琴葉の回復を待ってから実家へと向かった。
懐かしい町並みを妹と一緒に歩く。
琴葉は安定的に俺の腕に抱きついている。
同級生とかに見られたらどうするんだろうな。
腕に抱きついている琴葉を見ながらそんなことを思っていると、実家が見えてきた。
琴葉のせいで余計に疲れたな。
俺は慣れたようにその玄関を開ける。約一年ぶりに実家へと帰ってきた。
「「ただいま〜」」
反応がない。
どうやら両親は買い物に行っているらしい。
俺たちは靴を脱ぐとリビングへと向かう。
そしてまたしても、今日二回目となる戦慄が俺を襲った。
「おう賢兎。おかえり〜」
咲がいた。まごうことなき咲だった。
あっ。そういえば年末は、咲がいないからゆっくりできるなと思っていたけど実家も隣同士だったわ。
完全に忘れていた・・・
「うん・・・ただいま」
「なんであんたが今日もいんのよっ!」
「別に私の勝手でしょ」
「きっきぃいいぃいい」
俺は意気消沈し、妹様は吠えた。
こらこら、仲良くしてよ。
そして、俺を休ませてくれ・・・・・・・。
結構今週は忙しく投稿が遅れました。
今後の参考とモチベーションのためにも評価とブクマの方お願いします。
短編投稿しました!
『シェアハウスに住むことになったんだが、何故か幼馴染と同棲生活になってしまった。』
1200文字程度の短編なので気になったらぜひ読んでください。
それではまた。次のお話で。




