林檎食べたい
朝、目は開きましたが、意識が浮上しないまま…アア、ハタラキニイカナクテハ…はたらきにいかなくては…と、強迫観念の如くに繰り返し、脳裏にテロップが流れていく
そして、重奏的かつ幻想的なオペラを聴くように、ドナドナの唄の哀しい調べが意識の空を流れていくのだ
…
…
しばらく経ってから
…ああ…そう言えば、今日は休みであったな
と気がついた
さあさあ、今日も私の清々しい一日が始まる
洗濯に着手し、風呂洗い、食器を洗い、朝ご飯を作って、起こして、皆で食べてから、洗濯物、布団を干して、掃除機をかける
よし、おわた
さあ、晴れ晴れとした外へ、出掛けようとしたら、電話が掛かってきた…
…
午後2時、テンションがダダ下がり、畳に倒れ伏している私がいる
世の中には、知らない方が幸せなこともあるのだな
ようやくメンタルダメージから立ち上がり夕方、珈琲豆を買いに行く
黄昏れの川面を見ながら橋を渡る
ドナドナ、ドナドナ、ドーナツ♪
ド、ド、ドラヤキ、ドナドナ、食べたいな♪
テンションは変わらず上がらない
自分のせいではないけども、今さらながらどうにもならないけども、悔いの残ることはある
他人事でも身近な人の失敗は、精神的に堪えて哀しくも苦しく切ない
思うだけで、胃の腑が縮んで、気分が沈んでいく
錐揉みしながら、クルクルと暗い海の底へと落ちていくようだ…
私が沈んでも、何も事態は変わらないけども
さびれた誰もいない神社の鳥居をくぐり、自分のために祈る
… … …
祈っても、変わらない 分かっている
自己満足です
けど、私が、この世界で認知できる情報量など1%にも満たないことも分かっている
この世の99.99999…%は、不知で未知で、理解不能の森羅万象の如きもの
ああ、知らずに没するが至極残念です