歩くだけの話
さあ、旅に出よう
未知への旅路だ
この先にはツラいこともカナシいこともあるのだろうな…?
山嶺を遥か先に臨み、蟻のように大地を踏み締めて、歩いていく
空を飛ぶこともなく、速い乗り物に乗ることもない
独り杖を着きながら、歩くを私は選んだ
見上げれば、蒼天の天蓋に覆われ、大地は遥か先にまで続き、終わりはない
振り返らずに、好きな未知へ足を進める
なんて、自由なことか
…充分だ
現実を見れば、縛りつける鎖などは、はなからなかった…意志の剣に切れない鎖はない
人は、何処へ行くのも、何を為すのも、自由なのだ
喜びに足は弾み、未知なる希望に心は踊る
さあ、私ならば…そう、北北西に針路を取れ
皆が自由自在に散っていく
出逢いと別れは旅人のさだめなのだ
旅路にあたり最上と最悪を心得る
最後がどうなるか分からぬが、最良を選びたい
ほんの少しの心の振れ幅、気紛れを許す余裕ある意志が、道を彩るような気がする
泥の中に身を沈ませても、泥中に咲く花もある
誰もいない高山に咲く小さき花々、海原の先の小島に咲く色取り取りな花々、砂漠のオアシスに咲く花達を観る、夢をみる
足を、止めなければ…いつかは辿り着き観れることだろう