時空鉄道
草原の中を列車が走る
車窓から外を眺めれば、一面の緑の草原だ
ところどころで背が低い樹が繁っている
いつから、僕は、この列車に乗っているのだろう
ガタンガタンと音がして、心地良い揺れがする
列車内には僕以外誰もいない
貸切状態だ
さもあらん
この列車は僕専用だ
窓を開ければ、心地良い風が入ってくる
先頭車両に行く 誰も居ない 当然だ
運転席にも誰もいない 車掌もいない
それでも走っている
いったい誰が、運転しているのか
誰が決めているというのか
風を感じている僕は、ここにいる
或いは ここに居ると思い込んでいる自分がいるのか
はたまた、僕さえも誰かが想っている景色の一部なのだろうか
分からない
分かるのは、草原の中を走る列車の中に僕があり、レールの上を、その列車が走っている風景があると認識している僕があると思いこんでいると言う事だ。
空をみる 見られてるような気がした 深淵から見返されてるような
はたまた 誰かの胃袋に入ってるような 奇妙な気分
まるで 誰かが考えついた物語の中のような
だとしたら、僕は誰なんだろう
作中の僕だろうか
作中している僕だろうか
作中している僕を作中している僕だろうか
誰かの思惑など この僕に関係あるだろうか
忖度する必要はあるだろうか
無しだな
自分の意志で足掻くのだ
網をブチ破るのだ
レールでさえ関係ない
失敗さえも 僕が歩いた道ならば 受け入れるのだ
自分の足で踏み締めるのだ
窓を全開にした
風が顔に当たり 痛いくらいの勢いで
光が目をギラつくくらいに刺す
ガタンガタンと音がする
この後、僕は