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復活の呪文
電車の窓ガラスが鏡のよう
まるで暗いトンネルを電車が進んているみたい
席にすわりて微睡む
ああ、今は朝なのか夜なのか、景色からでは分からない
行きも暗い、帰りも暗い
立つか座るかの違い
気がつけば、いつも電車に乗っている
この現実は、いつまでも続くのか
駅に着くたび、人の乗り降り
これまでも、これからも、変わらぬ光景
僕は、この風景絵画の一部分
ああ…脱けだしたい
だが永劫に続く安楽なぬるま湯に浸かる気分が心地良くも感じる
疲労感と座席の暖かさと振動で、このまま眠りそうです
いけない
終点まで行ったら、帰れません
さあ、今こそ呪文を紡ぐとき
アブラカタブラ アブラカラメヤサイマシマシ
呟くように呪文を紡ぐ
…
あれ…何故かラーメンが食べたくなりました