表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暗闇に沈む陽  作者: sakura
708/1026

ひだる神

溶岩のような血潮が吹き出してヨロヨロと歩いている怪物

泣いている 奇妙な声が聴こえてくるのだ

虫の息だ

わけのわからない念仏を唱えて、それがまともだと主張する

狂っている もう治ることはない

昔は立派だったのに、今は見る影もない

概念という名の嘘に中身を食い尽くされたのだ

泣き言や繰り言ばかりで、実がない

口ばかりで愚痴ばかり、這いずることすら出来ず

無理無理いいながら、同じ所を回っている

病気の末期症状だ 病んでいる…

空虚で中身が虚ろな、外面が爛れ腐れ落ちている


ヨロヨロと歩き回り、忌避され、嫌われている

悲しげなボエーという鳴き声が木霊する

聴くに堪えない

なんて、哀れで可哀想な生き物であるか…

球体で、動いているから生きているには違いない

この妖しの名は、卑垂る、虚ろし、空虚玉とも言われている


いったい何のために生きているのか?

死に掛けなのは間違いない

昔は、真っ当な生き物だったのであろうか?

中身があり表面も腐っておらずに瑞々しかったらとしたら?


想像した所で気がついた

地球だ…地球に似ている


やがて、忌々しげな、声は途絶えた

もしかしたら、救けを呼んでいたのかもしれない




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ