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暗闇に沈む陽  作者: sakura
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魔王41

心体合一

そんな言葉があるとは存ぜないが、脳裏に思い浮かぶ


…未だ世界は未明である


暗闇の中で、指先の身体の隅々まで意識を乗せる

全体で一なのじゃ

それが人類には、未だに理解し難いらしいのう


憑いている宿主の中で、頭脳の記録を参照しながら思考に耽る


…偏ってはいけない

血液が滞ったり、一部分だけカロリーを溜め込むなどは、病気又は未病と言う

いわゆる、オマエは既に病んでいる状態…緩やかな死

オマエら息苦しくはないのかえ?


我ならば、平等で一様にするがのう

複雑系個別に変化した人類には、はたして無理であるのか?

ならば、アメーバの方が、よほど高等であるに違いないぞ


…ククク


人類に偏りは必要であろうか?

ないない

手脚に栄養が行かずに足萎えになり、内臓に常時脂肪が着いた状態…身体に悪そうじゃ

…今のままでは、長生きはしないだろうに

このままでは、我が手を下さなくでも人類滅亡は必須


もし、偏りが必要なのだとしたら?

それは大量に使う必要がある時で、何かを産み出すためぐらいの一時的な状態としか考えつかない…


富は、一様でよい

必要な場所に必要な分を

そんなことは子供でもわかる


人類の歴史を垣間見るに、だからこそ、社会主義や共産主義を産み出したに違いない

だがそれは既に失敗している…結果は最悪じゃ

今も残っているのは理想から変質した成れの果てに過ぎない


現実に即さなければ、ままならない


我から見たら失敗は最初から明らか

人は、善人ばかりではないのに、理想ばかりを前提にしてるから失敗するのじゃ

人の本性は善悪で成り立っている

善意だけでは、片手落ちで、現実には、ままならない


人とは、醜いほどに欲望の権化であり、傲慢不遜で差別が大好きなのじゃ

…その証拠に未だに差別がなくならないではないか?

消しても消しても、本性から泡のようにとめどもなく吹き出してくればいつまでも無くならないのは道理

蓋をして見ないフリをしても、現実に消えるわけではない


認めろ


現に、人に悪意はあるのじゃ

それは、人類に標準装備されている仕様

汚いものを見ないフリでは、何も解決しない


だが、実はここら辺も、既に人類の宗教では問題提起されている節があるのう…ふむふむ

宿主の頭脳から記録を読む

しかし、宗教では解決しなかったのか?

それは、今の現実を見れば、分かるのじゃ

逆に争いや不幸の原因となっておるし…人類の悪業極まれりじゃな…これでは神も開祖も浮かばれんし


人類の歴史を紐解けば、辿々しくも、暗中模索して歩んでいるのが分かる




じきに夜は明ける…我の宿主も、そろそろ起き出すに違いない

だから我の思索も、今日は、ここまでのようなのじゃな…





…人類は滅亡に直進している それは間違いはない

フォールダウンじゃ!


…カカカ、見事に落ちているのう


それは、客観的に見れる我から見れば、岩が崖を転がるが如くなのじゃ



だが…未来は未だ不確定なのじゃ

宿主よ、人類よ、寝ている場合ではないぞ










ああ…いろいろ考えたあとは、糖分が欲しくなるのう

人類よ、我にスイーツをお供えせよ





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