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花一片
今、このとき、今の自分
ここに存在する自分は、今を感じている自分は、
開け放たれた窓辺から入って来た風を感じている自分は、今の自分でしかない
子供の頃、時の流れも何も考えなかった自分が、その時に居て、今からは当然戻れないけれど、確かにその時に存在し、風を感じていた自分は、そこに存在したのだと分かっている
だとしたら、だとしたら
今の自分も、そうなるのだろう
こんなふうに、二つの時象を考え、想うと視野が狭窄するみたいな、何かに閉じ込められてしまうような、囚われてしまう
閉所恐怖症とは、こんな感じなのだろうか
今、この時も、いつかは流れ、なくなってしまう
行けなくなってしまう。
今、この場所、この事象は、今しか存在しないのだ
桜の花びらが、風に吹かれて舞うように似て