魔王40
おはよう、大和に住まう諸君
蝉が鳴き、暑い陽射しに起こされた
実に夏らしい夏で、風情があるある
これぞ日本の夏じゃのう…
滅びの日に相応しい
まだかのう 滅びは…そろそろ良いのではないか?
夏の街、景色は蜃気楼のよう
揺れて、そのまま消えてしまえばよい
人類自身の半分がそう思っているのに存続する意味があるのかのう
…自分さえ良ければ良い
実に独善的な、人のいやらしさを表した言葉じゃ
まさにその通り
その思いがかなう先を見通せて、実にワクワクする
まるで、滅びの呪文じゃ
人は、社会を構成して力を発揮する生き物
だから、バラバラにすればよい
何も力で、薙ぎ倒すだけが滅びではない
静かなる滅び…
そんなやり方も、ありじゃな
情けは人のためならず
先人は、未来の子孫に向けて警告を発していた
人は一人では、力を発揮できない
繋がりが力となるのだ
だが、繋がりの力を発揮するには、イグニッションとなる核となるもの、責を負うものが必要
一様にして、それらを出現させなければよい
即ち、それこそが平等…
人は平等だから相争う
平等だから繋がらずバラバラとなる
牽引役であるイグニッションらは裕福にして隔離してしまえばよい
あとは口だけ喋らせとけば…くだらなき欲求を満たして満足じゃろう
意地汚きゴミは真綿でくるんでポイ捨てじゃ
だって、自分さえ良ければ、よかろうが
裕福なるものは幸せであり、他の皆んなは、平等で幸せ
皆んな幸せになり滅ぶのだ
(独)善と平等
これら人を蝕む猛毒を、エリクサーであると称して喧伝すればよい
既に滅びの猛毒は、蔓延し始めてている
…気づかなければ人類は滅ぶ…ドキドキじゃ
概念の、綺麗なお題目と悪逆な効果…
それは、地球上の地表を覆う静かなる災厄
魔王である我は、ただ待っていればよい
今にも、滅びは蔓延し始めているから
人類は、自ら創り出した概念により滅ぶのじゃ
だから、今日は滅びの始まりの日
人類の滅亡記念日じゃ