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灰色の雨
雨が降るほどに雨粒が当たり心地良い
ああ こんな僕だけど雨には承認されているのかな
パラパラと身体に当たり、無視されない喜び
天を見上げれば灰色
曇天の薄曇りの雲の中からいくらでも喜びが降り続く
天上から生きてよいのだと承認されている気がした
さあ、濡れて帰ろう
だって季節はもう夏
名残惜しいけれども雨は上がるだろう
雨上がりの空は 何処までも遥かに遠く蒼く透明できれいに違いない
そう まるで彼方へ吸い込まれるような蒼い空だ…
…
雨が降る音が聴こえる
雨が上がれば 此処も人通りが多くなるだろう
ああ 所詮はどこにでも蔓延る悍ましき人類だ
傲るなかれ 決して決して赦されているわけではないのだ
自然に依存し承認されてるなどとあまりにも無恥で傲慢
赦されるはずもない
自称で詐称、抽象化で虚ろな概念を数多にうみだす
ああ、なんて小賢しいのか
このまま雨に打たれて流れて消えてしまえばいいのに
自然を賛美する資格すらない




