天上の調べ
眠い
ひたすら眠い
頭の中はノイズの砂嵐
思考が飛び交う余地はない
蓄積された疲労を華麗に披露
消耗された意志は瞼を下げさせ
ファンファーレを奏でる
それでもゾンビが起きて腕を伸ばすように立たなけれけれ…
水を飲み、雨が降る天の光りを浴びていら
あらしに枝葉を揺らせるようにウゴウゴと立ち伸ばしシズシズと僅かに蠢めくの
ああ、重力が今日も重い
きっと雨は、重力に負けた敗残者
天から突き落とされた雲の成れの果て
空からシタイが降っているのだ
紫陽花は手向けの献花
濡れてしな垂れる
私も濡れながら葬列に参加していくのだ
見上げれば空
暗雲の曇天から次々と突き落とされるサイレントな雨粒達
無言の悲鳴が聴こえる
駅に行けば参列者の群れ
果たしてかたして何処に行こうというのか
カクカクと髑髏のように電車に乗り込む
サイレンが鳴り電車は動き出す
霞む
項垂れる
此処はまだ夢の中なのか
暗雲が泥流のように車内を席巻する
ああ、地球が高速で僕らを移動しているのを感じる
独楽のような高速回転
地球も僕らも回っている クラクラです
カクンカクンと賛同するように頷く
電車はガグガクと揺れして、地球の表面の轍を滑っていく
きっと果てなきトンネルの向こうには未知なる世界が広がっているに違いない
然り然り
それがたとえ轍が途切れ、廃棄物のようにマグマに放り出されたとしても…