ブックメイカー
こんな話しを聞いた覚えがある
その昔、古代中つ国のさる若い王様が、古今東西からかき集めた知識の宝庫たる書庫を作り上げた
賢者を書庫番に命じて、王様曰く
「こんなには、とても読めん。100冊にまとめてくれ。」
…
月日は流れ、賢者は、王様の無茶苦茶な無理ぶりな注文を、なんとかかんとか達成し、王様に報告した。
だがしかし、その頃には、中年になってしまった王様曰く
「そんな100冊も読む時間なぞ、政務に忙しくて取れない。10冊にまとめよ。」
…
月日は流れ流れて、賢者は、王様の無茶苦茶な無理ぶりな注文を、何とかかんとか達成し、王様に報告した。
だがしかし、その頃には、老齢になってしまった王様曰く
「わしにはそんな10冊も読める時間は残されておらん、1冊にまとめよ。」
…
月日は流れ流れて、賢者は、王様の無茶苦茶な無理ぶりな注文を、何とかかんとか達成し、王様に報告した。
だがしかし、その頃には、寿命により死の淵にたたされ、家族に看取られていた王様曰く
「書庫番よ、よくやってくれた。だがわしには、…もはや時間が残されておらん。…まとめて一言で教えて欲しい。」
・ー・ー・ー
気になるが、何故か、其処から先を覚えていない。
賢者は、何て答えたか、思い出そうとしても、全く記憶に浮上してこない
今、思い返してみれば…書庫とは、劣化版アカシックレコードであり、賢者がまとめた一冊に当たるのが現代で言えば、スマートフォンが一番近い
ならば、回答とは何だろ…?
…
話しは変わるが、旅に本を一冊持っていくとしたら、どれがよかろうか?
出来得るならば、何回も反芻しても、じわりとこの世の真理を味わうことが出来るような一冊がいい
だが、全員に普遍な、そんなものはないと思う
しかし、自分自身の人生にオリジナルな真理な一冊を、作り上げていくならば可能ではなかろうか…




