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暗闇に沈む陽  作者: sakura
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午睡

微睡みから目覚めれば、木漏れ日の森のなか


木目が見える丸太を組んだだけの簡素な小屋


窓から優しい陽の光りが差し込む


鳥の声が生きている喜びを歌っている


起きて窓を開ければ、深緑の匂いと共に風が吹き抜ける

身体を透き通るような風に命の灯が宿る

心から指先まで風の素がプクプクと運ばれていくのを感じる


ああ、今日も一日が始まる

素晴らしい一日が

森は梢の先を揺らして風が通るを教える

葉っぱが落ちていく姿さえ美しく時が過ぎ去る

幹から水を組み上げる水音が聴こえ耳に心地良い


生命の息吹だ


外に出れば、パノラマが広がる

耳を澄ませば…

遠くから風が音を運んで、世界とは無限の広がりがあると

外から清々しい風が内に広がる

すべての知覚が楽音の、弾けては消える音の連なり

波紋が広がっていく、反響していく

命が音の連なりならば、僕も楽器の一つで、空や森に向かってかき鳴らしている


渓流の囁きは、命の脈動との合奏と連動

世界もまた生きている

僕は水の一滴、ならば川の一部で流転の途中なのだ

流れいく、全てが流れいく途中で、反響しあい波紋を鳴らして進みいく


風をうちに取り込めば、空へと浮来て雲のように飛び去る

自由だ、上下もなく、360度が全て風と空

紺碧と大地の間の層


拡散して広がり薄まりやがてまじわり消えていく


そしてまた凝縮し、一滴外れ、大地へと落ちていく

豊穣に大地から芽吹いて、太陽と風を帯びて大きくなり

連鎖の波にさらわれ、また産まれ落ちる

大地や森や川や海や大空、鳥や植物さえも流れゆく大いなる川の途中…



微睡みに目覚めれば…



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