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暗闇に沈む陽  作者: sakura
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落ちる空

 ああ…少し肌寒いけど、爽やかな朝です



 うん、見上げてみれば…天が落ちて来そうな天候ですね

 外出する時は、折り畳み傘持参が良いかもしれません


 これは、リスク防止であり、保険であります

 雨に降られた時には、私ならば濡れたくはない

 先を見通し、既に対処の手段を準備する

 素晴らしい

 プロメテウスに師事した実に人間らしい考え方です


 しかし、無論どんな素晴らしい考え方、手段方法さえもメリットデメリットはある

 今回の場合、晴れ、曇りで使わないのに持っていくの面倒くさいし、どんなに小さくとも手荷物になります

 だから、持っても持たなくてもどちらでも良い…自由です


 酸性雨に降られて禿げるのも自由ですから






 しかし、もし槍が降ってきたら、如何だろうか?と考える


 (思考実験です…。)


 雨には優雅に降られても良いと言う人も、槍ならば串刺しですから、安全の為に槍を弾く傘を、常時持参しなければならない

 ならば晴れ曇りの日に持ち歩くデメリットをも享受しなければなりませぬ


 もし、持参を忘れたら、…いつかは串刺しですから


 自分の生命が掛かっていることだから、普通ならば文句苦情は出ないはずだか、しかし、これを法律にするとどうなるか?

 更に、市区町村により、降槍確率に偏りがある場合は?


 私の予想では、日常生活に関わることだから、不平不満が続出して、その結果、施行された法律を守らす、或いは独自の正しい解釈により、持ち歩かずに、毎年、都だけで、約250人の串刺し死亡が発生するでしょう。


 何故に、こんなに大きな犠牲が出るのだろうか?

 大きなリスクを抑えるために小さいペナルティを負うのが、そんなに嫌なのだろうか?


 法律は言葉で定義されるけど、言葉は万能ではない

 必ず不備があると思う

 不測の状況に弱いし、新たな状況にも対応できず、細かな一事一事にも、臨機応変には対応不可ですし

 だから条文には、付けいるスキはあるし、瑕疵を見つけて、正しいと主張して苦情を入れるのも可能

 但し、一つ一つの正しいとされる言葉の定義を積み重ねて導きだした全体の正しい答えを主張しても、それが通るとは限らない


 何故か?

 だって、それは串刺しならないためです

 それが優先するから


 正直、法律、条文、間違いがあろうがなかろうかどーでもよいのです だからいくら間違いを指摘しても状況は変わらない

 一律に適用すれば、当然その条文に合わない一事はあるし、また場所、環境が変われば、一律に適用出来ない場合もある

 しかし、それらペナルティは、全ての人が串刺しにならない安全を買うために、人類が支払う代価だと思うのだ


 ああ、なんて面倒くさい人類

 他人事だから、自分だけの正しさしか考えないから、文句や苦情や、限定的正義を執拗に主張するのだ

 それは正しいけど、それでは串刺しは防げないのだ

 そんなに代価を支払いたくないならば、より大きなペナルティを喰らえばよい…それで相殺すればよいのじゃ

 即ち、人類滅亡…


 (…思考実験終了。)




 ハッ…いけない、考えこむと、直ぐに思考が剣呑な方へといく

 これは、きっとお腹が空いているから

 私ならば、美味しい食べ物と、寝る場所さえあれば、不平不満はない


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