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暗闇に沈む陽  作者: sakura
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魔王38

こんな世界潰れて無くなってしまえはいいのに…


世界のアチコチから似た幾千幾万の思いが伝わってくる

それが流れ星のように降ってくる

まるで流星群のようじゃ


ああ…煌びやかで綺麗


世界の終わりに相応しいフィナーレじゃの


不幸だ あれらは全部不幸からやって来た

不幸とは何だろうか?…我でも分からない

だが不幸を育むものなら分かるぞ


無関心じゃ

我関せず

不幸を簡単に見過ごす、なんせ自分に関係ないからのう

極悪な人らしい所作

実に人間らしい…


もし助けを求められたら我でも助ける 我は人間とは違う


不幸の連鎖で地球が縛られているのが分かる

がんじがらめじゃ

さぞや豊穣の大地の神は窮屈で苦しかろうな…ククク

ざまあみせらせよ

大地め、人に甘い顔ばかりみせるからこんな目に会うのだ

もっとも仏の顔も三度まで 彼奴もそろそろ限界であろう


既に随所で綻びが見え始めている


人間どもよ、この調子だ

くだらぬこまかな不満を互いに押し付けあい神を落胆させろ

欲望と嫉妬、尊大な劣等感と臆病な自尊心で互いにやり合う

地獄に近い風景で、…懐かしい

そんなくだらない下劣な心を鬼と呼ぶ…素晴らしいぞ

損だとか得だとか考えて下劣な心を育てて感染させるのだ


さすれば、お前達とは違う本来の人間にある純粋な心が暗黒色の怒りや悲しみの涙に変わり、七つの水瓶を満たして溢れ出していくだろう


我の望む滅亡とは違うが、自滅には違いない


重くて苦々しい憎悪と悲しみを通り越した諦観の境地が、暗闇色の墨を垂らしたように大地に一雫落ちて、それは音の無い爆弾のようにスルスルと地表に広がり全てを真っ黒に染め上げていくのだ


お前達でも想像して分かるだろう


大地も海も空も真っ暗闇に

平等だ、そう、全てが平等に真っ暗闇の世界

差別も何もない全てが真っ黒で塗り潰されている

其処に住むのは身体も心も真っ黒に染まった真っ黒星人

其処には貧富もなく争いもないお腹も空かないし不幸もない

何故なら全てが黒く塗り潰されてしまうから

そんな世界がお望みなのだろう











ラーメンとデザートが無くなるのが、ちと残念である


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