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暗闇に沈む陽  作者: sakura
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暗水

デンデンドロドロデンドロドロ


2階のベランダから階下を見下ろす

暗雲に閉ざされ、街中に月明かりは差さない

その街中の道路にコールタールのような黒い水が流れているのだ

水なのか、泥のような、何あれ

生き物のように不自然に波打ち、デンデロ流れていく

ガシャン

何処かでガラスが割れるような音がした

ああ、人が流れていくねぇ

その人は悲鳴を上げようと開いた口に黒い泥水が流れ沈んでいった

しばらくの間、手脚が見えていたがドンブラ沈み流れていった

ああ、流れていくねぇ

なるほど、お迎えだね 

あの人の生き様がアレを呼び寄せたのだろうと得心した

同じ習性のものは集まる癖があるのだ

ならば、仕方がない

驚いた顔をして沈んで流れていったけど、これは自然の(ことわり)だから、あきらめるが良し


デンデンドロドロデンドロドロ

道に溢れんばかりの水は、流れ流れてやがて引いていった

雲間が切れて、月明かりが辺りを照らす

そこにはいつもの街並みがあった


黒い泥水の形跡は何処にもない

夢ではない こんなことも殊の外ある

これは怪異な現象なのだ






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