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サイレント
霧や霞のように風に吹かれてオサラバヨ
そんな風にキレイサッパリ行きたいな
山の頂は誰も居なずの吹雪で格納された白い暗室
吹かれ吹かれてサヨウナラただ消え去るのみ
天を見上げれば白くて暗くて正に僕に相応しい現象
全く夢マボロシのような一生でござった
サイレントに消えていく
誰にも知らせずに、誰にも関わりなく、誰にも拘ることもない
天空の遥かなかなたから呼ぶ轟轟とした風の音
渦を巻き撒きブリザード
両手を伸ばす
さあ、連れていくがいい
独りで生まれ、また独りに還り去っていく
山の頂きは四辺四方、雪に覆われた山々と森林、雪が幾重にも舞う暗い空
やがて我も雪に覆われて景色の一部と化していく
それでも景色は変わりないのだ




