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暗闇に沈む陽  作者: sakura
43/1015

 樹木が生い茂っていた

 廃墟を貫いて慄然と木が立っていた


 日光が燦々と降り注ぐ

 歩いて行く


 誰にも会わない


 電柱は斜めに倒壊していた。

 電線に電気は、通っていないことだろう


  国敗れて山河あり


 もっとも国など何処にもありゃしないけどさ


  青天はどこまでも高く、地は遥かにして果てはなし


 割と近くに森と山が見える

 人は辺りに居ない まったく居ない

 いたらびっくりだよ


  都心はビルが崩壊し始めたので危ないよね


 打ち捨てられた用水路からゲコゲコ鳴いている。

 貴重なタンパク質だな、直ぐにお腹が空く


 火は必ず通す

 素肌は晒さない

 病気や怪我をしたら治す手立てが無いからだ


 医療技術だけは、習得すればよかったなと思う

 薬や薬草の知識も勉強しとけばよかった、もう遅いけど


 前へ歩くんだ

 一人しか居ないから何をしようと、何を思おうと自由だ


 脅威には基本逃げる 兎モードだ

 逃げられないときは覚悟を決めよう 相討ちだ


 暑いので、


 森に入る。渓流のせせらぎが聞こえる


 ところどころから日の光が入ってきて森の中は以外と明るい

 斜面を降ろうとして、手に掛けた斜めに傾いでいる石柱が人工物だと気づく

 ○○ ●●◉◉銀行と縦に掘ってある

 名前が長いよ 全部合併したのか


 しばらく森の斜面を歩いて降りていく


 波の音が聞こえるな


 潮風が涼しいよ


 森の斜面を下りきり、森を抜けると、砂浜で、その先は海だった

 もちろん誰もいない


 砂浜に出ると右手側が岩場になっており、左側は海と砂浜と沿うように森が遥か先の岬へと弧を描くように続いている


 海は荒れていた

 波飛沫が飛んできて顔を濡らす


 もちろん、ここにも、誰もいない

 

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