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瀑布
轟轟とした大瀑布の前に立つ
遥かな上空から、何万トンもの膨大な水が無造作に落ちてくる
あたりは、落ちて来る途中で拡散した細か水分が、霧のように漂よって、まるで白い世界
轟轟とした水が落ちる音しか聞こえない
小さい水の粒子が頬をうつ
すぐに濡れて頬を流れる
何も聞こえない
何も見えてはいない
瞬間、瞬間、全てが刹那の瞬間で、スライドのよう
上から下へ落ちていく
流れていく、轟音を伴って
それは、外から眺めているから分かるのだ
上の水が、下に落ちる、同じ水が、上にあり下にあるのを一望に見える位置にいる
数秒の時間を一望に感じる位置にいることが分かるか
流れの中に入れば、あっという間に、流れていくだろう
それも良い
激動に身を任せるのも
あらゆる位置から、角度を変えて、見たいのだ
真実を