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魔王35
我は魔王リセット
滅びを待って幾星霜
夕陽を浴びながら待っておる
まだかのう…?
橋に立てば、右側のビルの向こうに茜色
左側のビルの向こうは群青色
どちらもビルの灯火が光っておる
自然と人工物との共存の美しさが、そこにある
右側の車道から自動車の音が煩いけど、これも一種のサウンド
左側の川面からは冷気と静けさが立ち昇る
天上天下正面を見渡せば、先の方に目当ての珈琲店があるのだ
まだ閉まってなければの話し
さあ、珈琲豆を買おう、人類が滅びぬうちに
そしてローストしてくれるのだ コンガリと
あの芳しい香りが素晴らしい
渡された袋から芳醇と匂ってくるのだ
人類よ 滅びるな
我が珈琲豆を挽き、珈琲を堪能するまでは