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星降る夜
おお、夜空に星の雨が降る。
なんて綺麗なんだ。
流星群だ。
大陸の方で、特に激しく降っている。
帷の内で、そこだけが昼のように明るく光っている。
まるで引き寄せられるように落ちている。
何故だろう。引き寄せるモノがあるのだろうか。
ニュースを見る。大陸の大都市は壊滅してるらしい。
ああ、なんて綺麗なんだろう。
地平線手前に一つ、夜空から大きな星が落ちた。
一瞬、そこから光が漏れ、都市部のそこだけが暗く穴のように暗くなった。
運だ。生きるも逆も。なんて平等なんだ。
全てに平等な世界が、ここにあるよ。
老若男女、貧富の差、人種の違いに関係ない、真に平等な社会。
あなた達が、神に願い、主張し、他に強制した成果だ。
願いが叶って良かったね。
もはや差別を主張する必要は何もない。
轟音が届き、風が頬を打ち付ける。
流星群は、差別なく平等に降ってくる。
星降る世界、なんて壮麗で美しい。
これが差別の無い世界というものだ。これでいいのか。