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暗闇に沈む陽  作者: sakura
32/1015

胸に蔓延る撚糸

また一つ咳がでる

咳こむと希望が消える


 もう歩けない


 皆と一緒には行けない


 歩むのを辞めてしまった


咳が出る 希望がこぼれていく


鼻が詰まる 香りが思い出が色褪せる


目がショボついて周りが良く見えない 僕以外が消えていく


疲労と諦めの因子が、粘菌のように身体中の先々まで撚糸を伸ばす


 もう、いい 僕、よくやった、がんばった


 ここは、終焉の地か


 やがて朽ちて、撚糸が根を張り


 いつしか若葉が芽を出して、木になり、大樹となるのだろうか



 川沿いの土手に金魚を埋めたんだ

 いまでは、そこは草が生い茂っている


 水槽に近づくと、寄ってきて、水面から口をパクパクさせていたのを思い出す


 あの日、底に座るように動かなくなっていた

 ついさっきまで泳いでいたのに



 僕も、分解して、何もかも消えて、それでも世界は続いていくのだろう


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