闇黒の衣
目が覚めて、胃の腑がキュッと縮こまる
カラダノ節々が油の切れた機械のように
ああ又朝だ、外はまだ暗い
烏が泣いている
このまま寝ていたい、寒い、もう、疲れた
ああ、いったいこの朝が、これからも延々続くというのか
疲労が悪意が粒子のように身体中に散って増えて
許容限界だだ
臨界突破よよ
立ち上がり、歩くと、身体から増えて漏れた粒子が、揺ら揺らと黒い塵となり拡散す
疲労と悪意と諦観を、周りに蔓延らせてしまう
巻き込みたくない
この世を逃げるように、渡り歩きと、何処そこに蔓延った、あぁ、あぁっと鳴いている塵芥どもが吸着して行くんだ
黒色はますます黒くなり、闇となり虚になる
我は崩れゆく人型の闇黒物質に、白丸の目がついた生き物
歩く度、動く度、黒色の粒子を撒き散らしてしまう
本意ではないのだ、これは本意ではないのだ
もはや、無理なんだ
巻き込みたくない
諦観と絶望の憤りが咽喉を通りすぎる、あぁ、あぁっ
もう、遅いんだ、
揺ら揺らと歩き、歩き、歩きて
煙がたなびく噴火口へ
メラメラと、赤々と光り流れるマグマが見えるか
終着点だ、きっと全てを燃やし尽くして消え去る
飛び込む
あぁ、これでやっと…
ハッとが覚めた
ああ又朝だ、外はまだ暗い
烏が鳴いている