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暗闇を織る
暗闇にボゥと光る
あれはなに
闇は光りの無い状態ではない
ヒヤッとモワモワな存在なのだ
暗闇にも灯りはある
闇のひかり
それがボゥと光るのさ
翠とか黄とかな
暗く闇の世界も満更ではない
ぬるま湯のように暖かくもある
全てを呑みこみ受け入れてくれる寛容な世界
きれいもきたないも同価値で
混沌で、数字に価値などない 測れやしない
1であり、無限である 時間の観念すらない
戦うのも逃げるのも隠れるのも存在すらしないのも自由
決定しない曖昧で あったりなかったり
古い白色灯の街灯がチカチカと光る
さあ、お戻りよ まだ来るには早い
ここは母なる深淵の出入口 裏口だよ
光りの子よ
太陽が没するには未だ早すぎる
さあ お帰りよ いずれ また逢えるから
月明かりがあなたの足元を照らす
キラキラと小道が出来る
雲が明かりを遮らないうちに進め
闇の海が満ちて侵食しないうちに
暗闇があなたと同化しないうちに 走るのだ
振り返ってはならない 覗いてはいけない
前だけを見て 飛び込め