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れいんどろっぷ
僕は水面から離れた一粒の滴
僕の体表に映り出す 周りの様々
ああ 色んな事 ありました
嬉しいこと 楽しいこと 悲しいこと
思い出すだけで 体表がプルプルと震えてしまう
…よかった
僕 足りないし 賢くないし 頑張らないし
何もなし得なかった
でも 幸せでした
皆んなと会えて良かった
もうすぐ 滴の形が崩れて 水面に帰るの
でも忘れない
僕が無くなっても 帰るだけだから
どうか悲しまないで
僕は そこにあるから
君に出会えた時 魂が震えた
ああ ありがとう
神様 ありがとう
僕は ひとりぼっちでは無かった
君は ちいさくて 儚くて 泣いて
護らなくてはいけないと思ってしまったんだ
抱いていた小さな君が だんだんと大きくなって
おんぶも出来なくなって
ああ どうか だから これからも無事でいて
もうすぐ お別れなんだ
ありがとう
僕は 君と会えて幸せだった
水面に帰るだけなのに
出会いがあれば別れがあるのは当然なのに
こんなにも 震えるのは何故だろう
ああ 神様 彼が幸せでありますように
僕は もう何も出来ないから